やる気を出す方法は、気分が上がるのを待たずに、声や体を先に動かすことです。やる気は後からついてくるからです。この記事は、YouTube『Ryuの自己管理室』の動画『【実践済み】5分後にやる気が出る習慣 20選』を読みものにしたものです。昔の僕は、やるべきことを先延ばしにしていました。そこで100個以上のテクニックを試し、5分以内に始められるものを20個に絞りました。全部やる必要はありません。今日は1つだけ選んで試してください。
やる気を出す方法は、
5分以内に始められる20個
やる気を出す方法とは、気分が乗るのを待つのではなく、体の外側や目に入るものを変えて、行動を始めやすい状態を先に作ることです。20個はどれも、その場ですぐ始められるものです。
番号と名前は、動画で話した順番と画面に出したものに合わせています。
| 番号 | やる気を出す方法 | 動画で話した目安 |
|---|---|---|
| 1〜3 | ハカ/アントニオ猪木さん/パワフルな人になりきる | 声と姿勢を変える。ハカは1人でこっそり |
| 4〜6 | 好きな音楽を聞く/寒冷暴露/バーピージャンプ | バーピーは20秒動いて10秒休むを8セットで4分 |
| 7〜9 | アップダウンツイスト/コーヒーを飲む/大笑いをする | ツイストは1回10秒以内。カフェインは20〜30分後 |
| 10 | 着手することをゴールにする | ToDoを「〜を始める」と書く |
| 11〜14 | 大切な人の写真や動画を見る/目的意識を書き出す/ビジョンボードとイメージ/やった/やらないシートを作る | 目的意識は毎朝見る |
| 15〜18 | 瞑想/香りを使う/パワーポーズ/場所を変える | 目を閉じるのは5分〜10分、最初は1分でもいい |
| 19〜20 | 5秒ルール/感情の実況中継をする | 実況中継は、まず1週間 |
動画では、受験生時代に家でやっていたハカの再現や、アップダウンツイストの動きが見られます。声と体の動かし方は動画で、注意点はこの記事で確かめてください。
この記事は動画『【実践済み】5分後にやる気が出る習慣 20選』(1.9万回)をもとに構成しています。全編は27分です。
1〜3。声と姿勢を変えて、
外側からやる気を出す
最初の3つは、声と姿勢という体の外側から、内側の気持ちを変える方法です。外側を変えていくと内側の気持ちも変わってくる。笑顔を作ると気分がよくなるのと同じ理屈です。
1. ハカ
ハカは、ニュージーランドの伝統的な踊りです。見るだけでも気分は上がりますが、できたら1人でこっそりやってみてください。僕は公認会計士の受験生だったころ、家で1人で本気でやっていました。
なぜやる気が戻るのか。僕らは昔から、狩りも防衛も子育ても、集団で動いてきた生き物です。仲間と同じリズム、同じタイミングで声を出すと、一体感が生まれます。スポーツ観戦で気分が上がるのと同じです。それを1人で作り出すのが、ハカの映像を見ながら自分でやることです。
僕はこれを、宮古島の100kmマラソンで実感しました。42kmのマラソンも走ったことがない初心者です。完走できたいちばんの要因は、沿道の人や周りのランナーに「ワイドー」と叫んでいたことでした。ワイドーは、頑張ろうという意味だそうです。
仲間と一緒に叫んだとき、明らかに活力や気力が戻ってきました。逆に、60km地点から65kmあたりで周りに人がいなくなり、声をかけ合えなかった時間が一番しんどかった。理屈で考えても体感としても、声を合わせるのは即効性の高い方法です。
2. アントニオ猪木さん
ハカがやりづらい方は、アントニオ猪木さんの「元気ですか、1、2、3、ダー」を使ってください。ポイントは、大きい声を出すこととシンクロです。映像の音をイヤホンで聞きながら一緒に声を出せば、1人でも疑似体験できます。
3. パワフルな人になりきる
超エネルギッシュな人を1人想像して、その人を自分の中に乗り移らせます。松岡修造さんでも、海外のとにかく陽気な人でも、誰でも構いません。その人ならどう振る舞うかを考えて、なりきってみてください。笑顔、大きな声、大きなジェスチャー、いい姿勢。外側から先に変えていきます。
4〜10。音楽や運動で体を目覚めさせて、
始めることをゴールにする
4〜9は、脳内物質や心拍数のように、体の状態からやる気に働きかける方法です。10は、ToDoリストの書き方を変えて、始めることそのものをゴールにする方法です。
4. 好きな音楽を聞く
音楽を聞いて気持ちが最高潮に高まったとき、脳内でドーパミンが出ていたという研究があります(Salimpoor et al., 2011)。
僕は、やる気が出ないときはこれを聞く、という曲を決めていました。あらかじめダウンロードして、オフラインでも再生できるようにしておく。そうすると、ほかの曲に流されず、時間どおりに終わりやすくなります。
やる気を出すときはこの曲、と条件付けができるので、やる気スイッチが入りやすくなります。リズムに合わせて「今からやる、今からやる」と自分で歌を作るのも、ふざけているようで、本当に気分が上がるのでおすすめです。作業中の聞き方は、よくある質問に書きました。
5. 寒冷暴露
寒いところに自分を晒すことです。冬に外へ出たら眠気が吹っ飛んだ経験は、多くの方にあると思います。僕はカナダのブリティッシュコロンビア大学に留学していたとき、アラスカまでオーロラを見に行きました。マイナス30度から40度の土地です。オールナイトで見るので昼夜が逆転して、日中は動けないほど眠かった。それが外に出た瞬間、一気に目が覚めました。
手軽なのは冷水シャワーです。14℃の水に1時間つかると、血液中のノルアドレナリンが530%、ドーパミンが250%増えたという研究があります(Šrámek et al., 2000)。ただしこれは若い男性が首から下を1時間つかった条件で、シャワー数分の話ではありません。
シャワーも難しければ、冷たい水で顔を洗うだけでも構いません。僕は受験のとき、これをよくやっていました。寒冷暴露だけで人生が変わるというのは言いすぎです。それでも、最初に行動を始めるエンジンにはなってくれます。
1週間毎朝浴びた記録は冷水シャワーを真冬に1週間続けた記事にまとめました。持病のある方は、先にかかりつけの先生に相談してください。
6. バーピージャンプ
20秒間必死にバーピージャンプをして、10秒休む。これを8セットやると合計4分間のHIITになります。僕は留学中、この様子をずっとVlogで撮っていました。いきなり8セットはきついので、最初は3セットから。縄跳びや階段ダッシュ、スクワット30回、腕立て30回でも大丈夫です。
心拍数を上げると、多くの場合は体が覚醒モードに入り、今は動く時だという信号が送られます。体力づくりとして続ける方法は体力をつける方法の記事に書きました。
7. アップダウンツイスト
海外のインフルエンサーの動画で知った方法です。上に伸びをする(アップ)、下に体を伸ばす(ダウン)、最後に体をひねる(ツイスト)。この3つだけで、1回10秒以内でできます。やってみると、なんとなく気分が上がっていきます。デスクワークで凝るところが伸びるので、激しい運動に疲れた日はこちらを使ってください。
8. コーヒーを飲む
人によりますし、取りすぎもよくありませんが、まずは1杯をちびちびと飲みます。20分から30分ほどで、気分や集中力、目の覚め具合が上がってきます。動画では、眠気のもとになるアデノシンが働く場所に、カフェインが先にくっつくからだと説明しました。
ただ、カフェインは薬物として考えたほうがいいです。注意点は2つあります。1つは、夕方以降はなるべく取らないこと。睡眠の質に影響するからです。もう1つは、効果が切れたとき、たまっていたものが一気に来て、強いだるさに襲われることがあること。コーヒークラッシュと呼ばれるものです。普通に飲んでいる分には大丈夫ですが、取りすぎない、1杯を少しずつ飲むなどの気遣いをしてください。
できたら、そのあと昼寝をするのが、午後のやる気を高めるために僕がやっていちばん効果を感じた方法です。カフェインと昼寝を組み合わせて、パワーナップと言います。
9. 大笑いをする
何もおかしくないのに、声を出して笑うフェイクラフです。ハカと同じで、人前では絶対にやらないでください。1回だまされたと思ってやってみると、不思議と気分がよくなります。1〜3と同じで、外側から内側を変えていく方法です。お笑いを見るのもいいと思います。
10. 着手することをゴールにする
ToDoリストに「〜をする」「〜を完了させる」と書くと、重く感じてやる気が出ないことがあります。全部やり切るのは重いからです。だからタスクの書き方を「〜を始める」にしてください。この小さな工夫だけでも、実行率は変わります。
一度始めてしまえば、そのあと乗ってきて、やる気がついてくることがあります。作業興奮という言葉で知られている現象です。とにかく、やる気は後からついてくる。この原理原則を忘れないでください。それでも動けない日があるので、ここから残りの10個を使います。
11〜14。何のために頑張るのかを、
写真と紙で目に見えるようにする
11〜14は、頑張る理由を目に見える形にして、やる気を出す方法です。
11. 大切な人や家族の写真や動画を見る
たとえば、結婚2年目で赤ちゃんが生まれた32歳の男性が、娘さんの写真を見て仕事を頑張る。僕のクライアントさんでも、これがいちばんのやる気になると断言した方は1人ではなく複数いました。
なぜか考えた僕なりの結論は、自己超越目標につながっているからです。自分のためではなく、自分を超えた存在のために頑張る。その人に恩返しができる、幸せな思いをさせてあげられる。そのために頑張るという気持ちは、自分のためだけに頑張るより大きなエネルギーになります。携帯の待ち受けにする、財布に入れておくなど、すぐ見られるところに置いてください。
12. 目的意識を書き出して毎日見返す
自分は何のために頑張るのか。思いは言葉にすると納得感が生まれ、行動の原動力になります。過去の失敗を覆したい。自由を手にしたい。家族の笑顔を守りたい。目的は人それぞれです。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を読むと、目的意識の力がよく分かります。著者はアウシュビッツの収容所を生き延びた人です。彼は、この経験を講義として伝えている自分を鮮明に思い描き、もう一度奥さんと会えると信じて頑張ったそうです。人生から何を得るかではなく、人生は私に何を求めているのかと問い続けた。
同じ人間にそれができたのなら、目の前のやるべきことができないわけがない。その気持ちを紙に書き出して、毎朝見てください。
13. ビジョンボードとイメージ
これは、12の『夜と霧』の話ともつながっています。たどり着きたい理想の未来を、どこまで鮮明にイメージできているか。僕は本にも、目標は映画のワンシーンのようにイメージしましょうと書きました。実際にこれが、僕のやる気を引き出す大きな原動力になっていました。
僕らは目標を、文字面ではなく映像で見えたときにワクワクします。こんな家に住みたい、こんな人とこんな時間を過ごしたい。そこをワンシーンで切り取り、今目の前の行動が確実にそこへつながっていると認識します。
14. やった/やらないシートを作る
これは僕のオリジナルです。公認会計士の受験のときに作りました。今やるべきことをやったら必然的に訪れる未来と、やらなかったら勝手に訪れる未来。この2つを具体的に書き出して、すぐイメージできるようにしていました。
特に目を向けてほしいのは、やらなかった場合の損失の側です。今やらなかったら、この道に行ってしまうんだぞ。それって本当にいいんですか、自分にとって地獄じゃないか。ある種の危機感があると、やろうという気持ちは湧いてきやすくなります。
15〜18。目を閉じる・香り・姿勢・場所で、
活力を取り戻す
15〜18は、疲れて止まった状態から活力を取り戻すための方法です。感覚と空間を変えます。
15. 瞑想
前提として、目を閉じるのがおすすめです。僕の体感では、5分か10分、目を閉じてぼーっとするだけでデスクワークの疲れはかなり取れます。だから普段から、30分やったら5分、60分やったら10分休もうと伝えています。
やり方は3つあります。体の感覚に意識を向けるボディスキャン、聞こえてくる音に集中する方法、呼吸に意識を向ける方法です。途中で雑念が出てきたら、気づいて元の対象に戻す。それを繰り返します。最初は1分でも構いません。手順を詳しく知りたい方は瞑想のやり方の記事を読んでください。
16. 香りを使う
学生時代に嗅いでいた匂いで、そのころの記憶がパッとよみがえった経験はありませんか。ペパーミントの香りの中で作業した人は、香りなしの人より記憶の成績がよく、主観的な覚醒度も上がったという研究があります(Moss et al., 2008)。ペパーミント・イランイラン・香りなしの3つのグループ、合わせて144人で比べた実験です。
この実験は香りを嗅いだ条件での結果で、ガムを噛んだ実験ではありません。僕が試してよかったのは、自分のやる気を高めてくれる香りを1つ決めておくことでした。ミントのガムを噛む、タブレットを食べるくらいの手軽さで構いません。この香りを嗅いだらやる気モードに入る、と条件付けができると使いやすくなります。1つ決めて、集中したいときに毎回使ってください。
17. パワーポーズ
パワーポーズは、単体だと効果がちょっと薄いと感じています。ただ、ミントと掛け合わせると、僕の場合はめちゃくちゃ変わりました。ミントのガムを噛み、姿勢を正してパワーポーズをとる。3で紹介した元気な人の振る舞いをやってみる。僕は受験生のとき、そのまま勉強に取りかかるという流れで使っていました。対処療法として、ぜひ試してください。
18. 場所を変える
ずっと同じ場所にいると飽きてくるので、午前と午後で場所を変える、週末だけ変えるなどの気分転換は大事です。僕の場合は、視界を意識するとうまくいきます。集中したいときは視界を狭くする。フードを被る、狭い部屋や天井が低いところでやる。リラックスしたいときやアイデアを出したいときは、広い部屋や天井が高いところへ移ります。場所の選び方は集中できる場所の記事にまとめました。
19〜20。やる気が出ないまま動き出す、
5秒ルールと感情の実況中継
最後の2つは、やる気が出ていない状態のままで、体を先に動かす方法です。
19. 5秒ルール
やる気が出ないなと思ったら、頭の中で5、4、3、2、1とカウントダウンします。そして、数え終わる前にとりあえず体を動かす。それだけです。
正直に言うと、成功確率は100%ではありません。毎回うまくいくわけではない。大事なのは、確率が上がることです。たとえば、何もしなければ10回中9回は動けないとします。5秒ルールを使って、動けない回が7回や6回に減ったとする。逆に言えば、3回、4回は動けたことになります。それだけで大きな進歩です。
10回使って半分以上失敗したから意味がない、とやめてしまう人がいます。そうではなく、自己管理は確率を高めるゲームです。何回もやっていくと、成功率は上がっていくことのほうが多いです。
20. 感情の実況中継をする
やる気が出ないときは、その感情をそのまま実況中継します。「私は今、勉強がつらくてやりたくないと思っている」「私は今、気晴らしにSNSを見たくなっている」。ポイントは、感情を否定せず素直に認めることです。私は今〇〇だと思っている、という公式に当てはめて、口に出してください。まずはこれを1週間やってみましょう。
口に出すと、自分の気持ちを1回自覚できます。スマホを触ってしまうときやお菓子を食べてしまうときは、この自覚が挟まっていません。自覚が挟まると、選択権が生まれます。このままダラダラして後で後悔するのか、未来の自分のために今やるべきことをやるのか。
そして、感情と行動は分離して考えることができます。やりたくないと思っていても、手足は動く。本当に手を動かしてみて、そのまま洗濯物を1枚たたむ、参考書を開く、単語帳アプリを開く。
考えずに行く、ロボットになるのがいちばん合う人もいます。朝走りに行くと決めたなら、何も考えずにとにかく行く。始めてしまうと、意外と続くこともあります。次にめんどくさいと思ったら、それをチャンスだと思って1回だけ試してください。自覚を鍛える方法は自己管理ができないときの記事でも書いています。
いちばん大事なのは、
自分の習慣を変えること
ここまでの20個は即効性はありますが、根本的な解決ではありません。睡眠不足や不摂生な食事を続けていると、やる気はどうしても出てきません。何がいちばん大事か1つだけ言うなら、自分の習慣を変えることに尽きます。
やる気に頼らずに続ける方法は、やる気が出ない日に動く方法の記事に書きました。今日は20個のうち1つだけ選んで、次にめんどくさいと思った瞬間に試してください。
よくある質問
勉強や仕事の最中に、歌詞のある曲を聞いてもいいですか
歌詞のある曲を聞いたまま作業に入ると効率が落ちてしまうので、基本は作業の前か、作業の最初だけにとどめるのがおすすめです。ただ、これは完璧を言えばの話です。本当にやる気が出ない日は、好きな曲なら歌詞があっても聞きながら始めてかまいません。やらないよりやったほうがいいからです。乗ってくると、途中で自分から音楽を切ることもよくあります。
コーヒーが苦手なときはどうすればいいですか
紅茶や緑茶でも、大体同じように使えます。カフェインは絶対に使うべきものではないので、自分の状態に合わせて選べば大丈夫です。
何週間も気分が上がらず、何を試しても動けないときは
テクニックを足すより、まず休むことを優先してください。眠れない、食欲がないといった状態が長く続くときは、医療機関に相談することをおすすめします。休み方は正しい休み方の記事にまとめています。
出典
- Salimpoor, V. N., Benovoy, M., Larcher, K., Dagher, A., & Zatorre, R. J. (2011). Anatomically distinct dopamine release during anticipation and experience of peak emotion to music. Nature Neuroscience, 14(2), 257-262. https://doi.org/10.1038/nn.2726
- Šrámek, P., Šimečková, M., Janský, L., Šavlíková, J., & Vybíral, S. (2000). Human physiological responses to immersion into water of different temperatures. European Journal of Applied Physiology, 81(5), 436-442. https://doi.org/10.1007/s004210050065
- Moss, M., Hewitt, S., Moss, L., & Wesnes, K. (2008). Modulation of cognitive performance and mood by aromas of peppermint and ylang-ylang. International Journal of Neuroscience, 118(1), 59-77. https://doi.org/10.1080/00207450601042094