先に断っておきます。この記事では、やる気を高める方法については解説をしません。高めようと頑張ってもやる気は出てこないし、仮に高まったとしても長続きしないからです。この記事は、YouTube『Ryuの自己管理室』で公開した動画を読みものとして書き直したものです。僕らが本当に欲しいのはやる気ではなくて、行動を継続する力です。そこを直す手順を書きます。
やる気が出ない日に、やる気を待たない
だらけたとき、モチベーションがなくなったとき。どうやったらやる気が出るのかな、と考え始めます。でも、そこが違うんです。極端に言えば、やる気がなかったとしても行動を継続できるようになれば、それでいい。やる気が出ないという悩みの本当の中身は、やる気が出ないからやるべきことができない、行動を継続できない、ということだからです。
だから対策も3つの層に分けます。①今日すぐ動くための対症療法 ②続く人に変わるための原因療法 ③そもそもの向き合い方を変えるマインドセット。今すぐ結果につなげたいなら①は欠かせません。まず①で短期的に問題を解決して、それが回ってきたら②で原因を潰す。最後にとどめとして③を変えていきます。
| 層 | 変化が出るまで | 主な項目 |
|---|---|---|
| 対症療法 | 今日から | 締め切り、タイムアタック、5分だけ、小さく分解 |
| 原因療法 | 数週間 | 守りの計画、記録、スモールゴール、環境 |
| マインドセット | 年単位 | 価値観、結果を手放す、1つに絞る |
この記事は動画『【やる気が出ない】を解決するためにやるべきこと50選』をもとに構成しています。全編は35分です。
対症療法。
今日のやる気がなくても動き出す
まず今日です。やる気が戻るのを待たずに動き出すための手を、上から順に書きます。
締め切り日を決める
締め切りがないと人は動きません。僕らが時間を大事にするのは、いつか死ぬという限界があるからです。永遠に生きられるなら、今日やる必要はどこにもありません。だからいつまでに何をやるのかを具体的に決めて、できればその行動をいつやるのかまで決めてしまう。今日の昼までにこれを終わらせる、と決まっているだけで午前中の使い方が変わります。自分で決めた締め切りが弱いなら、人と約束してください。
締め切りがあっても毎回ギリギリまで手をつけられないなら、先延ばし癖を4段階に分けた記事で、自分がどの段階で止まっているかを確かめてみてください。
タイムアタックにする
目の前のタスクに飽きたり、面倒だと感じたりしたときは、取りかかる前に制限時間を決めてタイマーをセットします。用意ドンで始めて、なるべく早く終わらせる。テストや本番は集中できるのに、普段の作業は集中できないという方は、まずこの方法を試してみてください。
とりあえず5分だけ始める
やる気という言葉は、やる前に力を蓄えるような使われ方をします。でも逆です。先に体を動かすから、やる気が出てくるんです。とりあえずやれ、というのは体育会系のアドバイスに聞こえますが、順番としてはこちらが正しいと思っています。5、4、3、2、1と数えているあいだに手をつける方法もあります。やり方は5秒ルールのやり方に書きました。その5分に手がつけられない、という方は次を読んでください。
最初の一歩を、超小さく分解する
僕はHIITというきつめの運動を習慣にしたいとき、これを使いました。20秒動いて10秒休むのを8セット。やってみると結構きついので、最初は始めるのに手こずっていました。全部やろうとすると気が重くなるので、最初の1セット、最初の20秒だけやってみようという気持ちで挑む。それだけで習慣になって、3年4年続いています。
最初の一歩をまめ粒レベルに小さくする。すぐ始められるように部屋にスペースを空けておく、着替えをすぐ取れるようにしておく。絶対失敗できないだろ、というくらいまで削ります。始めるまでに時間がかかるけれど、やってみたら意外と続く。そういう方にはこれがいちばん合います。
朝一は、簡単なタスクから始める
これは人によります。朝いちばん集中できるから、そこにいちばん難しいタスクを持ってくる日も僕は多いです。ただ、朝すぐエンジンがかからない、何分かすると勢いに乗ってくるという方は、5分10分で終わるものを1日の頭に置いてみてください。予定の洗い出しでも、ベッドメイクでも構いません。1つやり遂げたという感覚が、次の難しいタスクに向かう力になります。
ただし、簡単だからといってメールを開くのはおすすめしません。30分1時間と溶けて、朝の貴重な時間がなくなります。朝の時間帯の組み立ては1日のスケジュールの立て方にまとめました。
やる気がなくなったら、あと5分だけ続ける
1時間やると決めたのに10分で切れてしまった。そんなときは、すぐやめずにあと5分だけ続けてみてください。うまくいけばその5分で軌道に乗ります。乗らずに5分後にやめても構いません。最初より5分ぶん前に進んでいますし、何より辛い状況でも少しだけ粘ることができたという自信が残ります。
ちょっとした辛いことで粘れない癖がつくと、他のところでも粘れなくなります。逆に1つでも粘れる人は、他の領域でも粘れます。感情と行動は切り離して考えましょう。どんなに辛くても、5分だけ目の前の作業を続けることは物理的に可能です。
自分以外の誰かに、動く理由を求める
自分のためなら頑張れないけど、人のためなら頑張れる。綺麗事に聞こえるかもしれませんが、1人暮らしの自炊が雑でも、人が来たら丁寧に盛りつけますよね。今の目標を達成したら誰を助けられるのか、誰が喜んでくれるのか。そう考えると、自分だけの戦いではなくなります。僕も受験がつらい時期は、受かって家族を喜ばせたい、お世話になった方に報告したい、を燃料にしていました。
場所を変える
環境を変えるだけでやる気は変わります。カフェをはしごする、部屋の配置を変える。1日の中で移動するだけでも、気持ちを切り替えやすくなります。僕はカナダに留学したときと日本に帰ってきたときの両方でスイッチが入りました。このYouTubeチャンネルを始めたのも、留学に行った1週間後です。勉強する場所を選ぶときに避けたい環境は、勉強で集中できる場所に書きました。
原因療法。
やる気に頼らず続く形を作る
ここからは、数週間かけて効いてくる側です。今日の気分ではなく、続く形のほうを作ります。
守りの計画を立てておく
行動が止まるのは、計画倒れしたときが多いです。理想が高すぎて現実的に達成できない計画を立て、やってみてダメで、やっぱりダメだと自己嫌悪になってやめる。この最悪のループに自分から入ってしまう人がとても多い。僕もそうだったので、気持ちが痛いほど分かります。
だから理想の計画とは別に、これだけはやりきるという守りの計画を立てておきます。うまくいかない日が来ても、攻めの計画には届かなくても最低限こっちはやりきろう、と切り替えられます。決めるのは前日の夜か、朝のうちがいいです。
記録を取る
勉強や作業の時間を記録してみてください。その本質は、行動を見える化することです。マラソンで1日走ったのに今日は1kmも進んでいませんと言われたら、やる気が落ちて当たり前ですよね。でも現実ではみんなこれをやっています。大きな目標に挑んでいる人ほど、1日では成果が出ないと頭で分かっていても、前に進んでいる感覚が得られません。
今日これをやった、という事実でも、これだけできた、という主観でも構いません。毎日積み上げたからといって必ず成果が出るわけではありませんが、成長はしています。記録の付け方は習慣トラッカーの作り方に、書く形はジャーナリングのテンプレートにあります。
スモールゴールを置く
大きな目標は分解しないと達成感を味わえません。小さな達成感を日々味わえるように区切ります。ただし注意が1つあります。行動やスモールゴール自体を目的にしないこと。これらは結果を出すための手段であって通過点です。目先の達成感に全振りすると、本当に大事な目標を見失います。
やる気の対策は、
3つだけ選ぶ
ここまでで、今日から使える対症療法と、続く形を作る原因療法を出しました。効きそうだけど多すぎて、どれからやればいいか分からない。そう感じるのは普通です。選択肢が多すぎると、結局どれも選べなくなります。
だからここでやってほしいのは、ピンと来たものを3つだけ選ぶことです。本当に3個でいいんです。それ以外は一度全部忘れて構いません。3つやってみて、うまくいった、あるいは合わなかったとなったら、またこの記事に戻ってきて次の3つを選んでください。一気に全部を変える魔法はありません。
やる気は環境で決まる
意志の力には限界があります。環境で自分の基準値って決まってしまうからです。頑張っている人の輪に入ればそれが当たり前になりますし、そうでない場所に入れば自分もそこに寄っていきます。その中で頑張ろうとすると相当なエネルギーが要るので、実質的にほぼ不可能です。
| 環境の変え方 | やること |
|---|---|
| ライバルを作る | 同じ目標の人がいるコミュニティに入る。1人で頑張れない時は仲間を頼る |
| コーチやメンターをつける | 進みたい道を先に歩いている人に手伝ってもらう。自分では気づけない思考の癖を返してもらう |
| 目標を周りに言う | 後戻りできなくする。人との約束は守れても、自分との約束は簡単に破ってしまうのが人間 |
| その場所に行く | 集中している人が多いカフェや図書館へ移動する |
| 形から入る | 必要な道具やサービスを先に買う。やらなきゃもったいない、を働かせる |
僕はカナダにいたとき、毎日6時30分に起きないと友達にコーヒーを1杯おごる、というルールにしていました。会計士試験のときは、成績が低い段階から1年で受かると言っていました。失敗したら恥ずかしい。でも達成する確率は上がります。形から入るのも同じで、英語を始めたいなら単語帳を買ってオンライン英会話に登録してしまう。完璧に効率的な一手かは分かりませんが、踏み出すと見える世界が少し広がります。
ただし、破産するような金額をつぎ込むのはやめてください。失敗してもいい範囲で、とりあえず始めてしまう。それが形から入るの正しい使い方です。
結果を手放して、
できることだけ見る
最後は年単位で向き合う層です。テクニックは短期的な助けになりますが、テクニックだけで人生が変わりましたという人はあまり見ません。向き合い方が変わって思考の習慣が変わり、その結果が長期の成果になる。僕も道半ばですが、そう感じています。
1つ目は、時間を取って自分の価値観と向き合うこと。どれだけテクニックを使っても、自分の価値観に沿っていないものは続きません。続いたとしても、得られた成果に幸せを感じられないことが起きます。価値観を掘り起こす手順は人生の棚卸しを月2時間でに書きました。
2つ目が、結果を手放して過程に意識を向けることです。これは僕がよくやるミスで、結果ばかり考えているからやる気がなくなるんです。目標を決めたら、あとはそれに必要な行動をやるだけ。結果なんかコントロールできない。コントロールできるのは行動だけです。コントロールできないことに意識を向けると、そのぶんやる気が削がれます。
3つ目が、いちばん大事なことを1つに絞ること。選択肢が多いほど動けなくなるのは、さきほどのジャムの話と同じです。時間は有限なので、やるべきことは絞ります。そして4つ目が、ゲームにしてしまうこと。どんな活動にも必ずつまらない瞬間がありますが、同時に必ず楽しい側面もあります。タイムアタックはその代表例です。
最後に、やる気の仕組みを理解しようとすること自体が大切です。これを知る前の僕はがむしゃらに頑張っていました。それはもったいない。やるなら、センスのいい努力をしたいと思っています。
よくある質問
3つ選んでも、その3つが続きません
最初の一歩を、まめ粒レベルまで小さくできているかを見直してください。最初から全部やろうとせず、HIITなら最初の20秒だけ、仕事なら5分だけ始めます。それでも合わなければ、その3つに固執せず次の3つを選んで構いません。
やる気が出ないのは目標のせいですか
価値観に沿っていない目標は続きません。テクニックを重ねる前に、その目標は本当に自分が大事にしたいものかを考えてください。価値観に沿っているなら、結果ではなく、今日コントロールできる行動に意識を戻します。
自分で決めた締め切りが守れません
人を入れてください。誰かに宣言する、報告する約束をする、一緒にやる時間を決める。人との約束は守れても、自分との約束は簡単に破ってしまうのが人間です。僕も、起きられなかったらコーヒーをおごるという形にして守っていました。
転職も引っ越しもできません
環境は、住む場所だけではありません。作業する席を変える、カフェや図書館へ移動する、同じ目標を持つ人の輪に入る、目標を人に言う。今いる場所のままでも変えられる部分から動かしてください。