習慣・自己管理

習慣トラッカーの作り方と、塗れない日が続いても続く2つの仕掛け

2026年9月16日更新 約12分で読めます 文・福井龍介(Ryu)/POTEX株式会社 代表取締役

習慣トラッカーとは、続けたい習慣を縦に、日付を横に並べて、できた日を塗りつぶしていく記録表です。1日1分で終わります。

ただ、マス目を作るだけでは続きません。塗れない日が続くと、人はやめてしまうからです。この記事では作り方に加えて、続くようにするための2つの仕掛けまで書きます。動画『この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。』(27万回再生)を記事にしたものです。

習慣トラッカーとは、
続けた記録を1ページで見えるようにするもの

習慣トラッカーとは、続けたい習慣を縦に、日付を横に並べて、できた日を塗りつぶしていく記録表のことです。1日にかかるのは1分ほどで、1ヶ月続けると、自分が何をどれだけ続けられたかが1ページで見えるようになります。

この記事は、僕のYouTube動画『この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。』を記事にしたものです。動画は27万回再生されています。動画で話した順番のまま書いていきます。

ノートの作り方だけでなく、そのトラッカーが続くようにするための仕掛けまで書きます。マス目を作るだけなら誰でもできますが、塗れない日が続くと人はやめてしまうからです。

僕自身、この形にしてからずっと7時起きだった起床時間が2時間前倒しになって、無理なく朝5時に起きられるようになりました。午前中にやるべきことのほとんどが終わっている状態です。

この記事は動画『この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。』(27.0万回再生)をもとに構成しています。全編は33分です。

動画では実際のノートを手元に映しながら説明しています。記事には、動画にはない出典と、朝のスケジュールを時刻順に並べ直した表を足してあります。

習慣トラッカーの作り方。
日付と習慣を並べて塗るだけ

ノートはお気に入りのものを見つけるのが理想ですが、悩むぐらいなら何でもかまいません。コンビニや無印良品にもいいものが置いてあります。

僕はドット方眼が好きなので、罫線ではなくドットのノートをずっと愛用しています。気分が上がるのと書き心地がいいからで、最初に少しだけ投資してあげると続きやすくなります。ただ、大事なのはこのあとの書き方のほうなので、迷ったときの参考にする程度で大丈夫です。

作り方は3ステップです。

  1. 1ヶ月のページに、日付を1から31まで書く
  2. 上の空いたスペースに、取り入れたい習慣を横に並べて書く
  3. できた日は、そのマスを塗りつぶす

僕が並べているのは8つです。ジャーナリング、ベッドメイク、9時就寝、5時起き、起きてすぐ水を飲む、朝散歩、カフェインのルール、そして瞑想。どれも早起きを促す仕掛けになるように選んであります。

並べるときのコツは、朝の項目と夜の項目を両方入れることです。早起きは朝だけの勝負ではなく、前日の夜の使い方で決まる部分が大きいからです。9時就寝とカフェインのルールが入っているのはそのためで、この2つが崩れた日は、翌朝の5時起きもだいたい崩れます。早起きそのものの方法は、効果の高い順に20個並べた記事にまとめてあります。トラッカーを1ヶ月つけると、その連動が目で見えるようになります。

日付を横に、習慣を縦に並べて、できた日を黒く塗りつぶした1ヶ月ぶんの習慣トラッカーのノート
図1. 1ヶ月ぶんの習慣トラッカー(動画『この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。』より)

できた日はチェックをつけて塗り絵のように黒く塗る。できなかった日は空白のまま。これだけです。1ヶ月続けると、埋まったところと空いたところが一目で分かる表になります。

習慣トラッカーが続く2つの仕掛け。
サブルールと、一番左の項目

ここからが本題です。マス目を作っただけでは続きません。塗れない日が続くと、人はやめます。そうならないための仕掛けが2つあります。

仕掛け1 サブルールを置いて、0にしない

僕のトラッカーには、黒く塗ったマスのほかに斜線だけ引いたマスがあります。これがサブルールを達成した日です。別の言い方をすると守りの目標です。

たとえば僕は「9時就寝」と書いていますが、括弧書きで10時と添えてあります。9時に寝ようと思ったけれど飲み会が長引いて10時になった。そういう日は斜線を引きます。翌朝も、5時起きはできなかったけれど5時45分に起きたなら、6時というサブルールは守れているので斜線です。

なぜわざわざサブルールを置くのか。0にしないためです。僕らは塗り絵ができないとやめたくなります。毎日5時に起きるのは、習慣化していない人にとってはきつい。少しでもできないと、完璧主義が発動して0か100かになってしまう人がとても多いんです。

攻めの目標は高く設定したまま、守りの目標で最低限のラインを決めておく。この2本立てにすると、習慣化する確率が上がります。朝散歩も、本当は10分以上行きたいけれど忙しくて2分で終わった日は斜線にしていました。習慣化で大事なのは、ほんの少しでもいいから0にしないことです。ランニングなら、1分だけ走るのと全く走らないのとでは雲泥の差があります。

最初は9時就寝ではなく23時、5時起きではなく7時起きから始めてもいいと思います。

仕掛け2 一番左に、必ず達成できる項目を置く

僕のトラッカーの一番左の列は、全部にチェックがついています。これには理由があって、誰でも毎日チェックがつけられるルールにしてあるからです。

一番左はジャーナリングですが、僕は「このノートを開いて記録をつけただけでオッケー」にしています。毎朝起きて塗り絵をするだけ。それで必ず一番左は黒く塗れます。

そんなハードルの低い目標に意味があるのか、と思うかもしれません。ここでスタンプカードの話をさせてください。10個貯めればもらえるカードが2枚あって、片方は最初から2個押してある。ただしそちらは12個で1枚分です。残りのマスはどちらも10個で、ゴールまでの距離は同じです。それでも、先に2個埋まっているほうが「ゴールに近づいている」と感じます。

残りのマス数は同じなのに、先に2個押してあるほうがゴールに近く感じるという2枚のスタンプカードの比較
図2. スタンプカードの比較(動画『この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。』より)

これは消費者行動の研究でも確かめられていて、あらかじめ進捗が与えられていると、最後までカードを完成させる割合が上がったと報告されています(Nunes & Drèze, 2006)。

この錯覚を利用します。毎日ほぼ確実にクリアできる水準の項目を一番左に置いておくと、朝いちばんに「1個できた」という達成感を味わえます。僕らは前に進んでいるという感覚が得られたときに、次も頑張ろうと思えるようになります。

ハードルが高いと結局続きません。習慣化が苦手だ、いつも日記が続かない、という方ほど取り入れてみてください。これだけで、不思議なぐらい記録をつけること自体が続くようになります。

ベッドメイクを2番目に置いているのも同じ理由です。布団を整えると心が整うとか、部屋が汚いとストレスが増えるとか、理由はいろいろありますが、いちばんは朝いちの達成感です。僕のトラッカーではここも全部黒く塗ってあります。スタンプラリーの最初を先に進めておくことで、その後ろの習慣のハードルも越えやすくしているわけです。

習慣トラッカーの横に足す3つ。
1行日記、数値、人生の軸

トラッカーだけでも十分ですが、同じページに3つ足すと、記録が振り返りに変わります。

1 今日のハイライトを1行だけ書く

その日いちばん印象に残った出来事や大事なことを、1行で書きます。「今日は朝から集中して仕事ができた」「全体的にはダメだったけど、夜の予定を断ったから明日は早起きするぞ」。この程度でかまいません。1行なら忙しくても続きます。

1行でも毎日つけると、1ヶ月でそれなりの分量になります。面白いのは見返したときで、1ヶ月前の自分がこんなことに悩んでいたのか、と分かります。自分はこういうときに調子が良くて、こういうときに悪い、というデータが集まっていきます。

2 数値で記録したいものを決める

1日の満足度、集中できた時間、体重、スクリーンタイム、無駄にしたと感じた時間。数字で残せるものを1つか2つ決めて書きます。全部やろうとすると続かないので、いま気になっているものだけで大丈夫です。

数字にすると意識が向きます。毎日体重計に乗るだけ、スクリーンタイムを記録するだけで、改善しようという気持ちが働く。見える化されると、脳はそれを大事なものだと認識し始めます。ダイエット中に体重計にも乗らず自分の体型も見ない人と、毎日鏡を見て変化を追いかける人。どちらが続くかは明らかです。

3 右半分に人生の軸を書く

ノートの右半分は人生の軸を書き出すパートにしています。いちばんやりやすいのは、今月のゴールと、自分が今意識すべきことの2つを書くことです。目標は、いつも見て意識していないと忘れます。

そして、これが結局早起きをする目的になります。早起きできる人は人生の目的を持っていることが多いと言われます。考えてみれば当たり前で、何の目的もなくなんとなく早起きしようとしているだけなら、まあいいかとなります。1年後に留学へ行くために今月で英語力を上げなければいけない、という人のほうが起きられるのは自然です。

数字の目標だけでなく、それを達成した先にどんな未来が欲しいのかも書いておくといいと思います。あとは、朝起きられている自分に酔えるかどうかも意外と大きいです。朝から起きられている自分を素直に褒められる人のほうが、行動が続きやすい傾向にあります。

おまけ なりたい自分を書いて、1日だけその人になり切る

人生の軸を書くところまでできたら、もう1つ試してほしいことがあります。「自分は規則正しい人である」というように、なりたい自分を先に書いてしまう方法です。書いたら1日だけでいいので、その理想の自分になり切って過ごしてみてください。

憧れの人を1人思い浮かべるとやりやすくなります。同僚の田中さんがとても健康的な生活を送っている。ではランチで田中さんなら何を選ぶかな。仕事終わりに疲れているけれど、田中さんならジムに行くんじゃないかな。そうやって選択の一つひとつを、その人ならどうするかで決めていきます。

ポイントは、行動ではなくセルフイメージのほうを変えているところです。多くの人は行動を変えようとします。今日こそ痩せるために低カロリーのものを食べるぞ、今日こそ走るぞ。でも変わる人は、今日こそ田中さんみたいに行動するぞ、と自分像のほうを動かします。似ているようで全然違います。

そして1日の終わりに、その人のように動けた事実を書き出します。健康的なサラダを選べた、ジムに行けた、朝早く起きられた。事実ベースで大丈夫です。そうすると、自分はこういう行動ができる人間なんだという書き換えが起こります。僕らは自分とはこういう人間だという思い込みに沿って動くので、そこが変われば行動のほうも変わっていきます。

1ヶ月の終わりに、
習慣トラッカーをKPTで振り返る

ページの下半分は、1ヶ月の振り返りを書く欄として空けておきます。おすすめはKPTという方法で、キープ、プロブレム、トライの頭文字です。

  1. キープ 来月以降も続けたいこと。つまり今月できたこと
  2. プロブレム 今月できなかったこと
  3. トライ その2つを受けて、来月やってみること

たとえば「5時起きは継続する」「夜が遅くなって睡眠不足の日が多かったから、来月は予定を半分以下に減らして、勇気を持ってノーと言う習慣を作る」。トラッカーが埋まっていれば、できた日とできなかった日が目に見えているので、この振り返りが具体的になります。

毎日のページのほうは、自由に使うのがいちばんです。型にはめようとせず、白紙に書きたいことを書く。やりやすいのはストーリー日記で、その日起きた出来事をそのまま書くだけです。何を書いていいか分からないという人ほど、感情ではなく事実から書くとうまくいきます。

もう1つ、スモールウィンの日記もおすすめです。今日あった良かったことやできたことを書く。気分が良くなりますし、自分は前に進んでいるという感覚が得られます。これがないと、明日も頑張ろうという気持ちが湧いてきません。僕らはネガティビティバイアスを持っていて、できなかったところに目が行く癖があります。目標を追いかけている人ほど、理想と今の自分にギャップがある状態が続くので、また駄目だったと思ってしまう。続いている人は、みんな自分を褒めるのが上手です。毎日の書き方をもっと決めたい方は、ジャーナリングのテンプレートの記事にまとめてあります。

このノートで回している朝のスケジュール

トラッカーに並べた8つが、実際にはどう1日に収まっているのかを書いておきます。

時刻やること狙い
5:00起床してベッドメイク朝いちばんの達成感。スタンプカードと同じ理屈
5:05洗面を済ませて水を飲む胃腸を起こす。起きてすぐの1手を決めておく
5:10着替えて外に出る(朝散歩)光で体内時計をリセットする
5:30水シャワー覚醒する
5:45朝会(仲間と画面をつないで作業)自分との約束を人との約束に変える
6:45瞑想。ここでカフェインを解放起きてすぐは飲まない
6:55ノートに記録をつける塗るだけでも可
14:00カフェインを断ち切る夜の睡眠を守る
21:00就寝夜の予定にノーと言う

5時45分の朝会は、仲間と画面をつないで、その日の目標を宣言してから作業を始める時間です。結局、最初は自分との約束を人との約束に変えることで、習慣が続きやすくなります。学校や会社のように強制力があるところは遅刻しないのに、1人でやると決めた途端にだらける。個人で仕事をしている人や、独立したタイミングでだらけてしまう人はとても多いです。逃げ道がない形にしておかないと、人はなかなか動けません。

夜のほうも書いておきます。9時に寝て5時に起きても、8時間眠れているわけではありません。ベッドにいる時間が8時間なだけで、寝つくまでの時間や、気づかないうちの中途覚醒があるからです。実際に眠れている時間は、ベッドにいた時間より短くなります。8時間ベッドにいて7時間眠れていれば良いほう、くらいで見積もってください。

朝散歩の目安は、晴れの日なら最低5分、曇りなら15分から20分です。雨の日はベランダに出るか、レインキャップをかぶって走りに行きます。冬で5時に起きるとまだ日が昇っていない場合は、室内の明かりで代用してください。厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』にも、起床後に朝日の強い光を浴びることで体内時計はリセットされ、脳の覚醒度は上昇すると書かれています。起きてから光を浴びないと、日本にいながら時差ボケのような状態になります。同じ資料では、休日の起床時刻が大きく遅れると体内時計が混乱し、時差地域への海外旅行と同様の時差ボケが生じるとも説明されています。

補足

水シャワーは、最初は足にかけるだけ、下半身だけ、腕だけから始めても大丈夫です。心臓に疾患がある方や、無理な水シャワーは危険です。安全第一でやってください。

よくある質問

習慣は何個から始めればいいですか

動画で紹介しているのは8つですが、いきなり8つ並べる必要はありません。並べた数だけ空白のマスが増えるので、続かない原因になります。まずは一番左に置く「必ず達成できる項目」と、本当に定着させたい習慣の2つか3つから始めるのがおすすめです。

アプリではなく紙でなければいけませんか

紙でなければいけないということはありません。ただ、この形の狙いは、1ヶ月ぶんが1ページで一度に目に入ることにあります。アプリを使うなら、1画面で1ヶ月が見渡せるものを選んでください。スクロールしないと全体が見えないと、埋まり具合が感じ取りにくくなります。

サブルールを作ると、そちらばかり達成して甘くなりませんか

斜線と黒塗りを見分けられる形にしておけば、1ヶ月の終わりに見返したときに、斜線ばかりの月かどうかは一目で分かります。そうなっていたら、攻めの目標のほうが自分に合っていないというサインです。KPTのトライで、攻めの目標を現実的な線に引き直してください。

途中で何日も空白が続いてしまいました

そのページは、そのまま残しておいてください。空白が続いた時期が見えていること自体が、振り返りの材料になります。書き直したり、ページを破ったりすると、埋まっていた日の記録まで消えてしまいます。翌日から塗り直せば大丈夫です。

まとめ

1冊のノートで習慣トラッカーを作る手順と、続けるための仕掛けを見てきました。要点は3つです。

  • 日付を横に、習慣を縦に並べて、できた日を塗りつぶす。1日1分で終わる
  • 続く仕掛けは2つ。サブルールで0にしないことと、一番左に必ず達成できる項目を置くこと
  • 横に1行日記と数値と人生の軸を足して、1ヶ月の終わりにKPTで振り返る

一度習慣になってしまえば、最初ほどきつくありません。絶対に起きられないと思っていたところから、5時に起きないと気持ち悪い、7時起きなんて遅いな、という感覚に変わってきます。まずは今月のページを1枚作るところから始めてください。

出典

  1. Nunes, J. C., & Drèze, X. (2006). The Endowed Progress Effect: How Artificial Advancement Increases Effort. Journal of Consumer Research. https://doi.org/10.1086/500480
  2. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」令和6年2月(朝の光と体内時計・社会的時差ボケ)

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この1冊で「朝起きられない」自分とお別れできます。

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