疲れてるのに休めない。仕事や勉強を1日休んだら、休んだ分だけ未来の自分に負担がかかる。そんな状態の方に向けて、YouTube『Ryuの自己管理室』の動画を記事にしました。僕が試して残ったのは、息が少しだけ切れる運動、今この瞬間に戻る3〜5分、スマホと距離を置くことの3つです。休み方が分からないのは、意志だけの問題ではありません。
休み方が分からないのは
意志の問題ではない
休みたいと言って休めるわけじゃないんですよね。責任を感じたり、未来の自分の負担になると思ったり。そもそも休むのって、結構怖いじゃないですか。
本当に危ないときは休むべきで、とにかく仕事や勉強の量を減らすのが正しいアドバイスだと思います。ただ、そう言われて休める人なら最初から困っていません。多くの人は「頑張ればまだ働けちゃう」というラインにいます。朝起きたら体が動きません、という状態にはまだ行っていない。だからこそ休めないし、だからこそ手を打つ意味があります。
僕も公認会計士の受験生だったころ、毎日10時間近く勉強してメンタルケアを何もしていませんでした。燃え尽き症候群という言葉を検索しまくった時期がありますし、不安で眠れなかった日もあります。合格したあとも、睡眠を削って運動不足のまま仕事をしようとしていました。それはメンタルも疲れますし、成果も落ちます。
昔の僕は、メンタルが落ちるなんて自分には関係ない、それは弱さや逃げだと思っていました。でも対策をせずに気合いで1年近く走り続けると、頑張っても頑張れない、記録が出ないということが本当に起きます。そのとき自分の考えが浅かったと分かりました。そこから読んだり試したりして残ったのが、この記事に書く3つです。僕がいちばん大事にしている考え方は、原始人のように生きることでした。
この記事は動画『【疲れてるのに休めない】しんどい時に"超回復"した3つの脳ハック術』(8.7万回)をもとに構成しています。全編は22分です。
休めないのは、
脳と環境がずれているから
スライドで「原始人のように生きる」と出すと、たいてい何やねんそれという顔をされます。でも、ここが分かると休み方の設計が変わります。
動画で僕は「人の脳は現在の環境に適応するようにできていない」と話しました。狩りをしていた頃の脳みそと、僕らの脳って大して変わっていない。一方で、今はガスも電気も乗り物もあり、スマホから絶えず情報が入ります。僕はこのずれを、脳と環境の間に起きたミスマッチと捉えています。
将来食っていけないんじゃないか。あの人に嫌われてるんじゃないか。休んだらまずいんじゃないか。現代ではすぐ命に関わらない不安でも、頭の中では大きく膨らみます。休めない感覚を性格だけの問題にせず、環境とのずれとして見る。これが動画の出発点です。
もっと言うと、勉強や仕事を頑張る人ほど、1日のほとんどを運動せずに座って過ごします。コンビニに行けば、足を動かして狩りをしなくてもカロリーたっぷりのご飯が食べられる。スマホを開けばドーパミンがどっぱどっぱ出る動画が流れてきて、物も買える。アイコンをタップすれば人に会わなくてもやり取りができて、投稿した写真にいいねがつきます。
そして思うわけです。この投稿はキラキラしていていいな、自分はこんなに地味な生活をしているのに。あの人は理想の生活をしていていいな。認められるために頑張らなきゃ、休んじゃだめだ、未来のために今頑張れ。そりゃ疲れるよな、と思います。もちろん不安やストレスがあるから前に進めることはありますし、僕もそれで頑張れた時期があります。ただ、便利になった世界でそれを続けるのは、長い時間をかけて刻まれた仕組みに逆らうことでもあります。
とはいえ、今から原始人の生活をしてくださいというのは非現実的です。だから原始人の生活からエッセンスを抽出して、今の生活に入れる。僕自身が疲れを感じた時期に試し、今も続けている3つをここから書きます。
| 入れるもの | やること | 1日あたりの目安 |
|---|---|---|
| 体を動かす | 息が少しだけ切れる運動 | 30〜45分(歩くだけでも可) |
| 今に戻す | 呼吸や音に意識を向ける | 休憩時間に3〜5分 |
| 刺激を減らす | スマホと距離を置く | 浮いた10〜15分を上の2つに回す |
1つ目。
息が少しだけ切れる運動をする
心拍数が上がる運動をする時間も気力もない、という方もいると思います。動画では、体調に不安がある人に無理を勧めず、そこまでではない人へ息が少しだけ切れる運動を試す形で話しました。負荷に迷うなら、歩くところから始めてください。
原始時代の人はみんな走っていました。天敵から逃げるため、獲物を狩るため、つまり生きるためです。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」も、成人に対して歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日60分以上行うことを推奨しています。同じガイドは、座りすぎを避けて今よりも少しでも多く体を動かすことが基本だとも書いています。
運動するだけで休めるなら、とっくに解決している。そう思うかもしれません。僕は16年近く野球を続ける中で、負荷の高い運動のあとに気分が変わる感覚を経験してきました。今もストレスが増えてきたと感じたら、30分から45分ほど走るか、サイクリングに行きます。
いきなり激しくやりすぎて、それ自体がきつくなるのは避けてください。厚生労働省のガイドも、個人差を踏まえ、可能なものから取り組むことを勧めています。運動の強度を選ぶ目安は体力をつける習慣TOP20に書きました。
2つ目。
過去と未来から、今この瞬間に戻す
忙しさに追われると、思考がキャパオーバーになります。過去のことを悔やんだり、ずっと先のことを考えて不安になったり。そういう時間が増えていきます。ここで捨てたいのが、未来と過去という幻想です。
古代の人の生活は、今よりずっと自然と連動していました。時計がなくて、明るくなったら起きて暗くなったら寝る。計画やスケジュールに縛られることなく、今を生きるということが自然に行われていました。狩りだけで生きている人は、お腹が空いたら狩りに行くし、喉が渇いたら水を飲みに行く。明日のことは明日考える、というスタンスです。
もちろん現代は逆で、時間を細かく管理して効率を求めます。将来どうなりたいかから逆算しないと、理想にはたどり着きません。だから自制してコントロールする力が要るし、そのために過去と未来という概念を使う。ただ、人間はそれに慣れていないんだと思います。だからこそ、今を生きる時間をどれだけ増やせるかが休み方の中心になります。
やり方はシンプルです。次のどれか1つで構いません。
- 座ったまま目を閉じて、息を吸って吐く感覚に意識を向ける
- シャワーで頭に水が当たる感覚に集中する
- 人の声や鳥の声など、今聞こえている音に集中する
今この瞬間に起きてることに意識を全集中させるのがポイントです。動画では、仕事や勉強の休憩時間に3〜5分取り入れる方法を紹介しました。1つのことに深く入る感覚についてはフロー状態の入り方にまとめています。
3つ目。
スマホと距離を置く
3つ目は、現代のドラッグを手放すことです。僕はこの動画を撮ったとき、スマートフォンを部屋に置いて7日間ほど山にこもっていました。もちろん、同じことをしてくださいという話ではありません。今よりちょっとだけスマホと距離を置いたら何が変わるのか、自分の中で実験してみてほしいんです。山にこもった7日間の記録は、デジタルデトックスのやり方に書きました。
注目したいのは、スマホを使うこと自体より、そのぶん別の大事なことに使う時間が失われているほうです。忙しいのにスマホは見ちゃうんだよね、という相談はよく受けます。その時間を、さっきの運動と、今に戻す時間に置き換える。たった10分15分でも変わります。オンラインで知り合いとだらだらやり取りしているくらいなら、その時間で実際に会いに行くのもいいと思います。
僕は高校生のころから、毎日友達に写真や動画を送り合うSNSを使っていました。留学から帰ってきて少ししたころに、思い切ってやめました。つながっている感覚は確かにありましたが、それをやるくらいなら定期的にリアルで会ったほうがいいんじゃないかと思ったからです。僕の場合は、そのほうが何倍も幸せでした。今は会いたい人を誘って会いに行きますし、どうしても会えない人には電話をしています。これは体験談ベースの話なので、合わなければ戻せばいいと思います。スマホから距離を取る手順はドーパミンデトックスのやり方に7日間の形で書きました。
迷ったら「原始人ならやるか」で決める
話が複雑になってきたり、何から手をつけるか悩んだときは、この行動は原始人ならやるか、と問いかけてみてください。もっと言うと、昔の人が生き延びるために必要だったかどうかです。
行きすぎた発想に聞こえるかもしれません。ただ、スマホを見続けるか、10〜15分だけ離れて体を動かすか。過去や未来を考え続けるか、3〜5分だけ呼吸に意識を向けるか。迷ったときの選択肢を減らす問いとして使えます。
全部やる必要はありません。運動、今に戻す時間、スマホとの距離の中から、今日できるものを1つ選んでください。動画でも、忙しい人は1日5分、できれば30分ほど取り入れてほしいと話しました。夜の過ごし方から整えたい方は夜のルーティンの作り方も参考にしてください。
この記事は、医療の話ではありません
最後に線引きを書いておきます。ここに書いたのは、病院に行くほどではないけれど疲れが溜まっている、休めないという人に向けた休み方です。僕は医学のライセンスを持っていませんし、医師から診断を受けたこともありません。ただ、休みたいのに休めない、疲れてるのに頑張ってしまう。そういう時期に自分で試して残ったものを共有しています。
休んでも取れない状態が長く続く場合や、眠れない・食べられない・仕事や生活に支障が出ている場合は、医療機関にご相談ください。この記事の3つだけで対応しようとせず、専門家に相談することを優先してください。
よくある質問
3つのうち、どれか1つだけ選ぶなら?
準備の少なさで選ぶなら、3分だけ呼吸に意識を向ける方法がおすすめです。動画の最後でも、僕が個人的に特に勧めたい習慣として瞑想を挙げました。運動のほうが始めやすい人は、短い散歩からでも構いません。
運動する気力すら出ないときは、どうすればいいですか?
息が切れる運動にこだわらず、外に出て歩くだけで構いません。厚生労働省のガイドも、まず座りすぎを避けて今より少しでも多く体を動かすことを基本に置いています。玄関を出るところまでを目標にして、行けたらそのまま歩く、くらいでちょうどいいです。
スマホを手放すと、連絡が取れなくて困りませんか?
7日間スマホを手放す方法を、そのまま勧めているわけではありません。動画で話したのは、今より少しだけ距離を置き、何が変わるか自分の中で試すことです。連絡が必要な時間を避け、まず10〜15分だけ離れる方法がおすすめです。
どの段階なら、医療機関に相談すべきですか?
休んでも取れない状態が長く続く場合や、眠れない・食べられない・仕事や生活に支障が出ている場合は、この記事だけで対応しないでください。動画も、病院に行くほどではないけれど疲れが溜まり、休めない人に向けて話したものです。
参考資料
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月)https://www.mhlw.go.jp/content/001194020.pdf