習慣・自己管理

夜のルーティンの作り方。90分の実例と続ける2パターン

2026年9月19日更新 約12分で読めます 文・福井龍介(Ryu)/POTEX株式会社 代表取締役

「夜のルーティン 90分 続ける2パターン 夜の習慣」の文字。夜にノートを書くRyu

夜のルーティンは、自分に合う習慣を選び、毎晩やる順番を決めて作ります。僕が7年間続けている習慣をもとに、21時から22時30分までの90分の実例と、忙しい日のショート版を載せました。

続けるコツは、フル版と簡易版の2パターンを用意し、先に簡易版を決めることです。僕の動画『続けると人生が好転する「夜90分」の習慣』を記事にしたものです。

90分の時刻表を見る

夜のルーティンは、
自分に合う習慣を順番につなぐ

夜のルーティンは、自分に合う習慣を選び、寝るまでの順番を決めて作ります。何時に何を何分やるかまで決めて、AをしたらB、BをしたらCと一直線につないでおく。毎晩、その都度考えずに動ける型を目指します。

家に帰るとついだらけてしまう。歯を磨きながら携帯をいじって、気づいたら15分も歯ブラシを握っている。布団に入ってからもだらだらして、朝になっても回復しきっていない。そんな夜の過ごし方を見直すために、夜90分のモデルケースをもとに、自分に合うルーティンを作ってみてください。

ここで紹介するのは、僕が公認会計士試験の勉強をしていたときにほぼ全部を試して、最終的に残ったルーティンです。その後、留学も発信も起業も経験しましたが、7年間ずっと続いています。

この記事は動画『続けると人生が好転する「夜90分」の習慣【科学者お墨付き】』(17.3万回再生)をもとに構成しています。全編は19分です。

まずは夜に取り入れたい習慣を挙げ、そのあとで21時から22時30分までの組み方を見ていきます。帰宅が遅い日のショート版も用意しています。

夜のルーティンに
入れる習慣のリスト

まず候補を並べます。全部やる必要はありません。この中から自分に合うものを選んで、あとで90分に組み立てます。

  1. スマホをポストへ投函するなど、家に着いたら手の届かないところに置きます。触らない時間を決めてもいいと思います。
  2. 部屋を暗くします。上からの白いライトを避け、間接照明にします。
  3. 紙の本で読書します。僕のおすすめは紙です。
  4. 吐く息を長くした深呼吸をする。4秒吸って8秒吐くほか、4-7-8呼吸法やフィジオロジカルサイも選択肢です。
  5. 寝る1〜2時間前に入浴します。僕の場合は40度前後のお風呂に10分ほど浸かります。
  6. お風呂上がりにストレッチをします。
  7. まどろむくらいの感覚で、マインドフルネス瞑想をします。
  8. 好きなら、ハーブティーなどカフェインの入っていない温かい飲み物を取り入れます。
  9. 筋弛緩法を取り入れます。筋肉に力を入れ、10秒ほどしてからパッと力を抜きます。
  10. 日記を書きます。できたこと、できなかったこと、明日に向けた改善を書いたり、明日のタスクを整理したりします。
  11. 5分か10分だけ部屋を片づけます。
  12. 暗記物を寝る直前に見ます。さらに、翌朝はそれを見返さずに思い出してみてください。
  13. 明日の朝の自分の動きをイメージします。

スマホは目の前にあると、気づいたら指が動いて10分20分が消えます。だから、家に着いたら、あるいは21時や22時など決めた時刻になったら、手の届かない場所へ置いてしまう。夜の時間を、自分で考えたり落ち着いたりする時間に変えるためです。

睡眠への影響も理由の1つです。厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』では、就寝前に照明やスマホの強い光を浴びると、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が抑えられ、入眠が妨げられることが説明されています。画面の光だけでなく、見ている内容で頭が興奮してしまうことも気になるので、僕は環境の側で触れないようにします。

部屋を暗くするのも同じ発想です。僕らの先祖が自然の中で過ごしていた夜を考えると、日が落ちたあとまで白い光を浴び続けるのは不自然ですよね。僕は間接照明や赤いライトを使い、日中の緊張状態からオフへ切り替えるようにしています。同じ睡眠ガイドでも、寝室をできるだけ暗くすることが勧められています。暖色の照明でも、明るすぎないように調整することが大切です。

読書をするなら、僕は紙の本をおすすめします。紙の本を読むと、僕は心が落ち着きます。2025年9月に出した『なぜか努力できる人が無意識にやっていること』でも、ほかの好きな本でも構いません。

続けるうえでのコツは、目標を「本を読む」ではなく「本を読み始める」にすることです。1度始めれば、もう1ページ2ページ読もうかとなることも多い。読む時間を決め、まずは30秒でも読み始めてみてください。毎日できたか、できなかったかを記録するのもおすすめです。

深呼吸は、吸う息の2倍の時間をかけて吐く形をおすすめしています。4秒吸って8秒吐く、5秒吸って10秒吐く。僕は、交感神経が働く緊張の状態をオン、副交感神経が働くリラックスの状態をオフとたとえています。仕事や勉強で緊張したオンモードから、夜のオフモードへ切り替えるために取り入れたい習慣です。

僕がお風呂で気に入っているのは、暗めの明かりの中で何も考えず、ぼーっとすることです。40度前後のお風呂に10分ほど浸かると、「もうこれだけでいい」と思うくらい気持ちが落ち着きます。入浴のタイミングを知ったきっかけは、高校生のときに読んだ『スタンフォード式 最高の睡眠』でした。試してみて、僕は寝つきや体感的な睡眠の質が変わったと感じています。

お風呂上がりのストレッチや、吐く息を長くしたマインドフルネス瞑想もおすすめです。夜は頑張って集中しようとするより、まどろむくらいの感覚で、聞こえる音を観察するような取り組み方が合うと思います。

寝つきが悪いときは、4秒吸って7秒止めて8秒吐く「4-7-8呼吸法」を試してみてください。ほかに「4-4-8呼吸法」という方法もあります。

もう1つ、フィジオロジカルサイという呼吸法もあります。息を吸ったあとに短くもう1度吸い、ゆっくり長く吐く方法です。5〜10回ほど取り入れてみてください。呼吸の動きが分かりにくい方は、上の動画で僕の実演を見てください。

この呼吸を繰り返す方法については、Yilmaz Balbanらの研究(2023年)があります。1日5分を1か月続けた実験では、気分の改善や呼吸数の低下が見られました。ただし、この結果だけで数回の呼吸に同じ効果がある、眠れるようになる、とまでは言えません。

ハーブティーやカフェインの入っていない温かい飲み物も、好きな方は取り入れるといいと思います。

筋弛緩法は、僕が公認会計士試験のときに不眠症になりかけた時期によくやっていました。肩などにぐっと力を入れ、10秒ほどしてからパッと力を抜く。力を抜きたいときに、あえて一度力を入れてから解放する方法です。

日記は、キープ・プロブレム・トライ(できたこと、できなかったこと、明日に向けた改善)でも、今日感謝したいことを3行書く形でも構いません。感情をひたすら書き出すエクスプレッシブライティングや、明日のタスクの整理も選択肢です。

明日のタスクを書くことについては、Scullinらの研究(2018年)があります。健康な18〜30歳の57人を対象に、実験室で就寝前に5分間書いてもらったところ、今後やることを書いた群は、終えたことを書いた群より早く寝つきました。ただし、これは日記のどの書き方でも寝つきが良くなるという結果ではありません。

部屋の片づけは、5分か10分と時間を決めて行います。散らかった部屋ではいろいろなものが目に入り、集中しづらくなりますよね。翌朝すっきりした部屋で仕事や勉強を始められるように、1日の終わりに片づけておくのがおすすめです。

暗記物は、僕も英語と会計の勉強で寝る直前に見るようにしていて、記憶の効率が上がった感覚がありました。さらにおすすめしたいのは、夜に見たものを、翌朝もう1度見るのではなく思い出すことです。自分の頭の中から引っ張り出してみてください。

最後は、明日の朝の行動をイメージすることです。理想の自分の姿だけでなく、朝起きてからA、B、C、Dと順番に動くプロセスを頭の中で流してみてください。布団に入るときや歯を磨くときなら、毎日やる行動に新しい習慣を載せやすくなります。

夜にやらないほうがいいこと

寝酒は避け、食事は寝る直前に取らないようにするのがおすすめです。寝室の光、音、温度も、無理なく変えられるところから整えます。

僕のおすすめは、できれば寝る3時間前から食事を控えることです。ただ、空腹すぎて目が冴える場合は、バナナ、キウイ、ナッツ、ヨーグルトのような軽食を取っても構いません。お酒で寝つきが良くなるように感じても、寝酒はおすすめしません。厚生労働省の『健康づくりのための睡眠ガイド2023』にも、晩酌での深酒や、眠るためにお酒を飲むこと(寝酒)は、睡眠の質を悪化させる可能性があると書かれています。

次に寝室の環境です。光はできるだけ暗く、音もできるだけ静かにします。遮光カーテン、アイマスク、耳栓を取り入れてもいいと思います。温度は20度前後を目安として挙げていますが、全員に同じ室温が最適という意味ではありません。同じ睡眠ガイドでも、寝室は暑すぎず寒すぎない温度にすることが勧められています。

夜90分のモデルケース。
順番と時間配分

習慣を選んだら、A、B、C、D、Eのように一直線につなぎます。AをしたらB、BをしたらC。このあとに何をしようかと毎晩考えずに済むよう、順番を決めておきます。

帰宅した直後にやってほしいのが、だらだら動線を断ち切ることです。帰ってきて鞄を適当に置き、ソファに座って携帯をいじり始める。この動線があるなら、そこを先に切ります。帰宅したら鞄を置いて、スマホをポストへ投函して、そのまま机に向かう。あるいは鞄を置いたらそのまま照明を落とす。意思の力だけに頼らず、動線を変えます。刺激との距離を作る考え方は、ドーパミンデトックスの記事にまとめてあります。

21時に始めて22時30分に寝る場合の型です。

寝る前90分の例。21時入浴、入浴後に洗面、21時45分にストレッチと深呼吸、22時片づけ、22時5分に日記、22時30分に布団で朝をイメージする
時刻やること目安
開始前スマホをポストへ投函(電源オフ)。照明を落とす入浴前に済ませる
21:00入浴。暗めの明かりで、湯船でぼーっとする20〜25分
21:20〜21:25洗面。ドライヤーなど10〜15分
21:45マインドフルストレッチと深呼吸10〜15分
22:00部屋の片づけ5分
22:05紙とペンで日記10〜15分。余裕を含め20〜25分
22:30就寝。布団で明日の朝をイメージする—

入浴のところは、僕は洗面所の電気だけつけて、風呂場の電気は消すくらいの明るさで入ることがよくあります。湯船に浸かりながら何も考えない。軽く瞑想を入れてもいい。上がる頃には1日の疲れがふわっと溶けていく感覚になります。

寝る1〜2時間前に入浴するのは、入浴後に体の熱が外へ逃げ、深部体温が下がる流れを作るためです。『健康づくりのための睡眠ガイド2023』でも、就寝の約1〜2時間前の入浴は、手足からの熱放散を促し、入眠しやすくすると説明されています。

ストレッチはマインドフルストレッチにしています。膝の裏を伸ばしているならその感覚に、首を伸ばしているなら伸びているところに意識を向ける。1つずつ丁寧にやれば、瞑想の時間を別に取らなくても、体の感覚を観察できます。吐く息も長くしながら、10〜15分ほど取り組みます。

22時になったら部屋を5分だけ片づけ、そのまま22時5分から紙とペンで日記を書きます。10〜15分で書き終わってもいいのですが、余裕を含めて20〜25分を取っています。洗面にかかる時間などは人によって違うので、自分の生活に合わせて調整してください。

布団に入ったら、僕は明日の朝の行動をイメージするか、今日あった良い出来事を思い出すようにしています。寝る直前の記憶は、朝起きた瞬間の感情につながるな、というのが僕の体感です。嫌なことがあった日も、良かったところに目を向けたり、明日は頑張ろうと気持ちを切り替えたりして寝る。僕は、翌朝の目覚めや活力が変わると感じていて、ずっと続けています。

時間があるとき(ロング)

日記の時間にエクスプレッシブライティング、感謝日記、キープ・プロブレム・トライを取り入れても構いません。今日やり残したタスクを片づけたり、明日のタスクを先取りしたりする時間を15〜30分ほど設けるのも選択肢です。翌日を先取りして、余裕を持って進めたい方におすすめです。紙の本を読んだり、暗記物を勉強したりしてもいいと思います。

時間がないとき(ショート)

湯船に浸かる時間がなければ、僕のおすすめは寝る30分前くらいにシャワーを浴びることです。そのとき、お湯が頭や体に当たる感覚、シャンプーを手でなじませる感覚に意識を向けてみてください。別のことを考え続けるのではなく、今の感覚を観察する時間にします。入浴できる日も5分だけにする、ストレッチは2〜3分か5分、読書は少しだけ、日記は3行だけという形に減らして構いません。

忙しい日の簡易版の例。シャワー、ストレッチ2〜3分、日記3行を順番につなぐ

照明も明るすぎないようにします。ただし、暗くすること自体が目的ではありません。浴室や部屋を移動するときに足元が見える明るさは確保してください。睡眠ガイドでも、転倒を防ぐために間接照明や足元灯を使う工夫が挙げられています。

夜のルーティンを続けるコツは、
フル版と簡易版を作ること

最後がいちばん大事です。続けるために、夜のルーティンを2パターン用意してください。

1つは、これができたら最高だと思うフル版。もう1つは、その中から最低限これだけはやると決めた簡易版です。

作る順番が逆になりがちなので気をつけてください。先に決めるのは簡易版のほうです。コアになるものを決めて、ここだけは絶対にやると固める。そこに、時間があるときにやりたいものを差し込んでいく。

これはつまり攻めの目標と守りの目標です。2本立てで管理すると、高い基準値を追いながら、忙しい日や気が乗らない日にも「守りはできたな」という感覚を保ちやすくなります。何か1つだけ意識するなら、僕はこの2パターン運用をおすすめします。続けた日を記録する方法は、習慣トラッカーの記事にまとめてあります。

もう1つのコツは、ゴールを「やり切ること」ではなく「着手すること」に置くことです。こだわりすぎず、少し遊び心を持って、自分に合う夜のルーティンを作ってみてください。

よくある質問

帰宅が23時を過ぎる日が多く、90分も取れません

90分の型をそのまま全部やる必要はありません。シャワーにする、ストレッチを2〜3分か5分に減らす、日記は3行だけにするなど、自分に合う形へ減らしてください。その中から最低限やることを先に決め、簡易版にしておくのがおすすめです。

家族がいるので、部屋を暗くしたり無音にしたりできません

環境を変えるのが難しい場合は、アイマスクや耳栓を取り入れてもいいと思います。光を遮るには遮光カーテンも選択肢です。真っ暗にすることにこだわりすぎず、移動するときの足元が見える明るさは確保してください。睡眠ガイドでも、転倒を防ぐために間接照明や足元灯を使う工夫が挙げられています。

21時に始めて、22時30分に寝ないといけませんか?

その時刻は、夜90分を組み立てるためのモデルケースです。21時に始められる場合を想定しているので、全員がその時刻に合わせる必要はありません。洗面にかかる時間も人によって違います。モデルをもとに、自分の生活に合う時刻や長さへ調整してください。

日記に何を書けばいいか分かりません

今日感謝したいことを3行書く形でも構いません。振り返りたい日は、できたこと、できなかったこと、明日に向けた改善を分けて書くキープ・プロブレム・トライがおすすめです。感情をひたすら書き出す方法や、明日のタスクを整理する方法もあるので、目的に合うものを選んでください。

まとめ

夜90分の作り方を見てきました。要点は3つです。

  • 時刻と順番を決めて、習慣を一直線につなぎます。帰宅直後のだらだら動線を先に切ります。
  • 90分の型では、入浴、洗面、ストレッチ、片づけ、日記と進みます。時間がなければシャワー、ストレッチ2〜3分、日記3行などに減らします。
  • フル版と簡易版の2パターンを用意します。先に簡易版を決め、時間がある日にやりたいものを足していきます。

まずは、最低限これだけはやるという簡易版を決めてください。そこに、時間がある日にやりたいものを足していく。積み上げるオンと、しっかり回復するオフを両立できる型を、自分の生活に合わせて作っていきましょう。

出典

  1. 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」令和6年2月(入浴のタイミング・寝室の環境・寝酒)
  2. Scullin, M. K. et al.(2018)The effects of bedtime writing on difficulty falling asleep: A polysomnographic study comparing to-do lists and completed activity lists. Journal of Experimental Psychology: General, 147(1), 139–146. DOI: 10.1037/xge0000374.
  3. Yilmaz Balban, M. et al.(2023)Brief structured respiration practices enhance mood and reduce physiological arousal. Cell Reports Medicine, 4(1), 100895. DOI: 10.1016/j.xcrm.2022.100895.

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