習慣・自己管理

勉強の休憩の過ごし方。会計士の受験期に僕がやっていた4つ

2026年10月9日更新 約11分で読めます 文・福井龍介(Ryu)/POTEX株式会社 代表取締役

「勉強の休憩の過ごし方 受験期に僕がやっていた4つ」の文字。カーテンの前で話すRyu
勉強の休憩で僕がいちばん意識していたのは、目と頭を一切使わずにスイッチをオフにすることです。公認会計士試験の受験期は、勉強法だけでなく休憩法にまでこだわっていました。この記事では、そのとき休憩でやっていた瞑想・運動・自然・寝るの4つと、どうしても見たくなるスマホとの付き合い方を、時間の目安つきで書いています。この記事は、僕の動画『毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”』(16.9万回再生)を記事にしたものです。

勉強を長く続けたいなら、
休憩の過ごし方にこだわる

長時間の勉強を続けるために必要なのは、勉強や作業をしていない時間に命をかけることだと僕は思っています。言い換えると、休憩時間にこだわることです。

ここで言う長時間の勉強は、ただ机に向かっている時間のことではありません。一定以上の質を保ったまま、集中力をどうやって何時間も持続させるか、という話です。動画のタイトルにある「10時間」も、質を保ったうえでの10時間を指しています。

「休憩ってそんなに大事? それより勉強法や習慣化のほうが大事でしょ」と思った方も多いかもしれません。もちろん、長時間の集中を支える要素は1つではないと思います。モチベーションの維持、勉強法、健康法、習慣化。どれも大事です。

それでも動画では、あえて1つに絞りました。毎日長時間の勉強を続けるには、勉強をしていない時間、つまり休憩時間にこだわることが何よりも大事です。なぜそう言えるのか、休憩中に具体的に何をすればいいのかを、ここから順に書いていきます。

この記事は動画『毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”』(16.9万回再生・2026年10月1日時点)をもとに構成しています。全編は15分です。

動画では、休憩法ごとのポイントを画面の文字と一緒に話しています。この記事では、動画で「らしい」「とされている」と話した部分に、原典を確認できた研究を出典つきで添えました。

休憩が大事なのは、
集中力が知らないうちに落ちていくから

休憩時間が大事だと考える理由はシンプルで、集中力の持続には限界があり、勉強の効率は知らず知らずのうちに落ちていくからです。それなのに、休憩時間の使い方にこだわっていない人が多いと思います。

2〜3時間ぶっ通しで勉強しても、休憩を適当に過ごしても、「効率が落ちたな」という自覚は感じづらいと思います。むしろ3時間も続けられた達成感があったり、頑張ったご褒美にスマホを見るのがルーティンになっていたりする方も多いのではないでしょうか。

あくまで個人の意見ですが、休憩時間にこだわらないことは、損失がめちゃくちゃ大きいと思っています。今日は12時間勉強できたと思っていても、やり方が理にかなっていなければ、実は半分の時間で済んだ内容だったということにもなりかねません。

休憩法にまでこだわって勉強している人には、少なくとも僕が受験生だったときには出会いませんでした。休憩にこだわった効果は、自覚しづらいからだと思います。

僕は地頭が全然良くないのですが、それでも公認会計士試験に周りの人の半分の時間で受かることができたのは、休憩法にこだわり抜いたからだと思っています。

疲れたと感じる前に休む

では、いつ休めばいいのか。この動画では触れていませんが、別の動画『孤独で辛いです【勉強を頑張る方の悩みに全力回答】』で、集中力をゲームの体力(HP)にたとえて話しています。

勉強していると、HPのゲージはどんどん減っていきます。そして一定のラインを超えたところで、ようやく「疲れてきた」という自覚症状が出てきます。

だから僕らがやるべきなのは、自覚症状が出る前に休んで、ゲージを回復させることです。集中して、疲れそうだなというところで回復する。このサイクルを繰り返してみて、僕は10時間ぐらいなら行けるという感覚を持ちました。

勉強中に減るHPの推移。自覚症状が出る一定のラインより上で休むとゲージが回復し、休まなければラインを越えて「疲れてきた」と感じることを示した図

公認会計士の受験生時代は、25分、50分、あるいは1時間で勉強を区切っていました(動画『スマホに奪われた"集中力"を取り返す3つの本質戦略』で話しています)。区切りが来たら速攻で脱力して、頭を使わずにただボーっとするか、瞑想をする。これをずっとやっていました。

勉強の休憩は、
スイッチをオフにして頭と目を休ませる

休憩全体を通して意識していたのは、休憩時間はとにかくスイッチオフということです。目と頭を一切使わずに、抜け殻のようにぼーっとします。

勉強する、特に何かに集中するという行為は、少なからず脳や心に負担をかけます。

それなのに休憩を取らなかったり、休憩中に正しく休めていなかったりすれば、パフォーマンスは下がっていく一方です。言い換えると、スイッチがオンのときにしっかり集中するには、オフのときに万全の状態まで回復しておく必要があるということです。

集中が続かなかった休憩の過ごし方は3つ

反対に、休憩中に次の3つをやっていたときは、本当に集中力が持続しませんでした。

  1. 目的もなくスマホを見る
  2. あれこれと考え事をする
  3. 椅子に座ったまま動かない

3つとも、オンとオフの切り替えがうまくできていない状態です。簡単に言うと、メリハリがない。休憩中もスマホをいじっているので、脳はずっと興奮状態のままです。オフで休めていないから、オンのときもやる気が出ないし、集中も続かない。そうして、どんどん勉強が嫌になっていきます。

「休憩中のNG例」として、目的なしのスマホ、あれこれと考え事、座ったまま動かないの3つが並んだ画面の横で話している場面
図2. 休憩中に目的もなくスマホを見る、考え事をする、座ったまま動かないと、集中力が続かなかったと話している場面(動画『毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”』より)

だから理想は、休憩中にスマホを見ないことです。そのうえで、なるべく頭と目を使わない瞑想や昼寝に時間を使うか、歩く、有酸素運動をする、筋トレをするといった運動を取り入れる。受験期の僕は、これをめちゃくちゃ意識していました。

スマホは、連絡を返す時間を決めてまとめる

とはいえ、「じゃあいつスマホを見るんだ、そんな完璧な生活はできない」と思いますよね。その通りだと思います。

本当に結果にコミットしたい、そのためなら何でもやるという方は、さっきの理想をそのまま実践すればいいと思います。ただ、それはさすがに極論です。僕もスマホはめちゃくちゃ見たかったですし、見ないと困ることも多くありました。

そこで、本当に一例ですが、僕はこんな対策をしていました。

  • SNSなどの連絡は1日3回、朝ごはん・昼ごはん・夜ごはんのあとに全部まとめて返す
  • 生産性を上げて夜9時までに勉強を切り上げ、そこから10時までの1時間だけ、好きなだけスマホを見る
「実際に行った対策(一例)」として、SNSなどの連絡は1日3回、21時までに勉強を切り上げるという2つが表示されている場面
図3. SNSの連絡は1日3回にまとめ、夜9時までに勉強を切り上げていたと話している場面(動画『毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”』より)

こうして、スマホと勉強をうまく両立させていました。スマホとの距離の取り方をもう少し詳しく知りたい方は、ドーパミンデトックスのやり方を4ステップで書いた記事も読んでみてください。

勉強するときは勉強し、休むときは休む

大事なのは、オンとオフをとにかく明確に区別することです。勉強するときは勉強する、休むときは休む、遊ぶときは遊ぶ。一度に1つのことしか考えないようにします。

これができると、長時間、そして長期間にわたって、質の高い勉強を続けられるようになると思っています。僕も常に試行錯誤の繰り返しです。

僕が休憩でやっていたのは、
瞑想・運動・自然・寝るの4つ

休憩で僕が実際に取り入れていたのは、瞑想・運動・自然・寝るの4つです。どれも次の休憩からすぐに始められます。動画で話した長さの目安を、先に表にまとめておきます。

休憩の過ごし方1回の休憩の長さの目安やること
1つ目 瞑想5分目を閉じて、自分の呼吸に意識を向ける
2つ目 運動5分歩く/2〜3分走る/HIITなら4分散歩、その場でスクワット、トイレ休憩で席を立つ
3つ目 自然動画では長さの話なし住宅街の木の近くを歩く、観葉植物を置く、外の空気を吸う
4つ目 寝る(コーヒーナップ)20分コーヒーを飲んでから昼寝する
4つ目 寝る(ウェイクフルレスト)5〜10分眠らなくていいので、何も考えずにぼーっとする

1つ目。瞑想で、疲れた気持ちをリセットする

最初にやったときは、本当にびっくりしました。僕の場合、5分間瞑想に取り組むだけで、ちょっと疲れたなという気持ちが完全にリセットされて、よしやろうというオンのスイッチが入りました。

よくやっていたのは、一番シンプルな呼吸瞑想です。目を閉じて、決めた時間のあいだ、自分の呼吸に集中します。吸って、吐いて、吸って、吐いて。普段わざわざ意識を向けない呼吸に、100%意識を向けます。

やってみるとわかりますが、これがめちゃくちゃ難しいです。たぶん10秒もしないうちに呼吸から意識が離れて、いろんな考え事やモヤモヤが出てくると思います。でも、それは全然OKです。

呼吸に意識を向けようと努力してみることが大事です。これを5分やるだけでも、多少の疲労なら全部すっ飛ばしてくれました。

瞑想を続けたときに脳に何が起きるのかは、瞑想のやり方の記事に、原典を確認できた研究だけをまとめています。休憩時間にマインドフルネスで目の前のことに集中する話は、フロー状態の入り方の記事に書きました。

2つ目。座りっぱなしをやめて、体を動かす

やってよかった休憩法の2つ目は運動です。デスクワークが多い人は、休憩時間にちょっとの運動を取り入れてみるだけで、疲労の回復度合いや集中力の持続性が大幅に改善すると思います。

軽く学校や職場の近くを散歩する。家にいるなら、その場でスクワットを軽くやってみる。トイレ休憩のために席を立つ、ぐらいでも全然効果があると思います。

もっとハードにやりたい場合は、30分から1時間ぐらいジムに行くのもいいと思いますし、4分で追い込めるHIITという有酸素運動もおすすめです。HIITのやり方は体力をつける習慣TOP20の第4位に書きました。

運動でそこまで変わる理由はいろいろあると思いますが、個人的には、体のコリがほぐれる、血流の悪化を防げる、気分転換になる、の3つが大きいと思っています。

いま気分が重い、疲れたなという方は、外に出て5分だけ歩くか、2〜3分だけ走ってみてください。何とも言えない気持ちよさというか、リフレッシュできたという感覚が少しだけ得られると思います。

3つ目。木の近くを歩いて、自然に触れる

3つ目に休憩で大事にしていたのが自然です。本当は森や林に行くのがいいらしいのですが、家の周りの住宅街にある木の近くを歩くだけでもいいですし、それも難しければ、家に観葉植物を置いておくだけでも効果があるらしいです。

勉強や作業には、かなりのストレスがかかります。

それを放置しておくと、塵が積もって、勉強したくない、集中できない、だから携帯を見ちゃおう、という流れに陥りがちです。定期的に自然に触れる時間を作ると、何とも言えない幸福感というか、癒しの感覚が得られました。外の空気を吸いに行くだけでも、効果があると思います。

自然と注意力については、ミシガン大学の研究があります。自然の環境と市街地の環境を比べた2つの実験で、自然の中を歩いたり、自然の写真を見たりしたあとは、注意力が上がりました。注意力は、数字を逆から言う課題などで測っています(Berman et al., 2008)。

4つ目。寝る。
コーヒーナップとウェイクフルレストの2つ

ラスト4つ目は寝ることです。ただ寝るだけではなく、黄金の睡眠法のようなものがあって、僕がやっていたのは2つです。1つ目がパワーナップ、コーヒーナップと呼ばれる方法で、コーヒーを飲んだあとに20分間の昼寝をします。

なぜ昼寝の前に飲むのかというと、カフェインの効果が出てくるのが、ちょうど飲んでから20分後ぐらいらしいんです。だから、コーヒーを飲んですぐに20分の昼寝をすると、起きたときにちょうど脳が覚醒している、という理屈です。僕にはこれが、びっくりするくらい気持ちよかったです。

昼寝の前のカフェインについては、広島大学の研究があります。若い健康な成人10人が、昼に20分の昼寝をした実験です。昼寝の前にカフェインをとった条件が、昼寝のあとの眠気と作業の成績にいちばん効果があり、その効果は昼寝のあと1時間続きました(Hayashi et al., 2003)。

これは完全に補足ですが、夜の睡眠を妨げないためには、コーヒーは午後2時から3時ぐらいまでに済ませておくのも大事だと思います。気になる方は、この辺りも意識してみてください。カフェインの区切りの話は、早起きのコツTOP20の8位「コーヒーは午後2時まで」に出典つきで書いています。

黄金の睡眠法の2つ目が、ウェイクフルレストと呼ばれる方法です。厳密には眠らなくてもよくて、5分から10分ぐらい、ぼーっとする方法です。

僕はこの方法を知ってから、動画を撮った2022年の時点で3〜4年、毎日のように実践していました。30分や60分と決めた勉強時間が経ったら、その瞬間に作業をやめて、ぼーっとしていました。それまで考えていたことや勉強していた内容は全部忘れて、完全に無になります。

瞑想との違いは、呼吸にすら集中しないことです。瞑想なら僕は呼吸に意識を向けますが、ウェイクフルレストでは、ひたすら何も考えません。本当に魂抜けた人みたいに、ボーっとします。

瞑想は意識の対象が呼吸、ウェイクフルレストは意識の対象がなし/無、と並べて表示されている場面
図4. 瞑想は呼吸に意識を向け、ウェイクフルレストは何にも意識を向けないと違いを話している場面(動画『毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”』より)

これは特に、暗記や記憶力によいとされている方法です。情報をインプットした直後にこの休憩をはさむと、しばらく脳に情報が入らない時間ができて、その間に脳が情報の処理や整理に集中できる、という考え方です。

僕の場合は、これで記憶の定着が面白いぐらいに良くなりました。

エディンバラ大学の研究では、参加者が2つの物語を覚える課題に取り組みました。一方のあとには10分間、なにもせずに起きたまま休み、もう一方のあとには10分間、間違い探しのゲームをします。

すると、休んだほうの物語を、15〜30分後にも7日後にもよく覚えていました(Dewar et al., 2012)。

休憩の過ごし方は、
ベストじゃなくてベターを目指す

ここまでの中から、いいなと思ったもの、なるほどと思ったものが2つか3つでもあれば、まずはそれを試してみてください。

動画では、主観的な言い方をかなり多く使いました。正直、休憩法については、論理で説明するよりも実際に自分でやってみて感じることが何より大事だと思っています。1つだけでもいいです。

ただ、これを全部、毎日100点満点でやるのは正直無理があると思います。本気の受験生なら毎日10時間の質の高い勉強を目指すはずですが、できなかったからといって自分を責めたり、モチベーションを下げたりする必要は本当にないと思っています。

僕は一時期、こういうことを調べて、完璧に実践しようと頑張っていた時期があります。でも、それを続けていると、切り詰めすぎて本当に病むというか、続かなくなってしまいました。

だから、追い込みすぎずに、ベストじゃなくてベターを目指し続ける。それを毎日改善し続けるのが、個人的にはいいと思っています。

まとめ

  • 長時間の勉強を続けるカギは、勉強していない時間、つまり休憩時間にこだわること
  • 休憩はスイッチオフ。目と頭を一切使わずに、抜け殻のようにぼーっとする
  • スマホは見ないのが理想。難しければ、連絡を返す時間を1日3回などにまとめる
  • 休憩でやっていたのは、瞑想・運動・自然・寝るの4つ
  • 勉強の区切りごとに、ウェイクフルレストで5〜10分ぼーっとする(暗記に特によいとされている方法)

全部を完璧にやろうとしなくて大丈夫です。今日も全力で、1分でも多く質の高いオンの時間を取れるように、まずは次の休憩で1つだけ試してみてください。

参考資料

動画で見る

毎日10時間勉強するために大切な”たった1つのこと”

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