習慣・自己管理

スマホ以外の趣味は4つの分野から選ぶ。やめるより現実を充実させる

2026年10月14日更新 約11分で読めます 文・福井龍介(Ryu)/POTEX株式会社 代表取締役

「スマホ以外の趣味 4つの分野から選ぶ」の文字。Ryuと、山・ダンベル・本・ギター・カメラ
スマホ以外の趣味は、心と体が整う・上達を感じる・人と繋がる・何かを生み出す、の4つの分野から1つずつ選ぶのがおすすめです。スマホをやめられた人ほど、実はやめようとしていませんでした。そんな話をしたYouTube『Ryuの自己管理室』の動画(2.9万回再生)を記事にしました。ゴルフやキャンプ、発信といった僕自身の例も紹介します。始めるのは、週に1回30分からでかまいません。

スマホをやめようとしない人ほど、
スマホから抜け出せている

スマホ依存から抜け出せた人に共通していたのは、スマホをやめようとしていないことでした。逆に、やめよう、やめようと思っている人ほど、やめられずにいます。意味が分からない話に聞こえますよね。これは、僕らの会社でパフォーマンスアップの相談に乗ってきた中で見えた共通点です。

画面を白黒にする。物理的に触れない箱に入れる。アプリで制限をかける。こうした対策をすればスマホ依存は解決する、という甘い話に騙されてはいけません。僕は過去にスマホ対策の動画をいろいろ出してきましたが、正直ずっとモヤモヤしていました。

確かに、こうしたテクニックには効果があります。取り入れないより、取り入れたほうがいいです。それでも、魅力を減らしたり、パスワードを何十桁にして開きにくくしたりしても、長い目で見ると元の生活に戻ってしまいます。

ちょっと見るつもりが、気づいたら30分、1時間たっていた。そんな5分、10分は、1回なら取り返せます。ただ、積み重なると大きな差になります。仮に1日3時間なら、1か月で90時間、1年で1095時間です。8時間労働に換算すると137日分、1年のうち4か月と17日をスマホに渡している計算です。

この記事は動画『スマホ対策は不要。勝手に"依存が治る"たった1つの方法』(2.9万回)をもとに構成しています。全編は24分です。

動画では、4つの分野の趣味を順に話しています。記事では、分野ごとの例を表にまとめ、動画に出てくる研究は、原典を確かめられた2本だけを書きました。

「やめよう」と思うほど、スマホのことを考えてしまう

やめられない1つ目の理由は、白くま効果です。白くまのことを絶対に考えないでください、と言われたら、どうしても白くまのことを考えてしまいますよね。人は「〜しない」という言葉を置いた瞬間、その対象をめちゃくちゃ考えるようになります。嫌いな人も同じで、きっと遠ざけようと思えば思うほど、それ中心に人生が構成されてしまいます。

白くま効果を実験で確かめたのが、心理学者のウェグナーらです(Wegner et al., 1987)。白くまを考えないように言われた人は、そのあと考えていいと言われると、最初から考えていいと言われた人より白くまのことを多く考えました。2つ目の実験では、抑える間に別に考えることを渡された人は、あとで白くまにとらわれにくくなりました。

スマホを対象にした研究ではないので、そのまま当てはまるとは言えません。ただ、我慢するより、別に目を向ける先を持つほうがいいという考え方とは矛盾しません。

現実が楽しくないと、スマホに戻ってしまう

2つ目の理由のほうが重要で、現実が楽しくないからです。もしかしたら、スマホ以外に楽しみが本当に全くないという方もいるかもしれません。ただ多くの人は、現実世界で充実しているものを何かしら持っているはずです。

この動画は公園で撮りました。目の前では、家族がサッカーをしています。こういう緑の中でぼんやり日常を眺める時間は、僕にとってすごく豊かで幸せな時間です。でも、スマホを触り続けていると、こうした日常の小さな幸せに気づきにくくなると思います。

現実の世界には、ショート動画のように一瞬で気持ちよくしてくれるものがあまりありません。何かを勉強して達成する、仕事で成果を上げる。こうした報酬にはタイムラグがあります。スマホの早い報酬に慣れると、遅れてやってくる報酬を待てなくなる。僕はそう考えています。だからスマホを遠ざけても手が戻ってくるか、ジャンクフードのような別の短い快楽に飛びついてしまいます。

「本当に見たいから?」と「ただなんとなく?」という2つの問いが左右に表示された動画の画面
図1. 本当に見たいからスマホを触るのか、ただなんとなくなのかを問いかける場面(動画『スマホ対策は不要。勝手に"依存が治る"たった1つの方法』より)

最近スマホを触ったのは、本当にその中身を見たかったからですか。それとも、ただなんとなくでしたか。スマホから抜け出せている人は、スマホがないときの現実世界を楽しめている人です。携帯をいじっている場合じゃないので、気づいたらいじっていなかった、という状態になっています。

だからこの記事では、スマホをやめるための対策ではなく、スマホがどうでも良くなるぐらい現実世界を充実させる方法を書きます。

スマホ以外の趣味は、
4つの分野から1つずつ選ぶ

スマホ以外の趣味は、心と体が整う、上達を感じる、人と繋がる、何かを生み出す、の4つの分野から1つずつ選ぶのがおすすめです。現実世界を充実させる鍵を握っているのは、趣味です。

趣味については、65歳以上の約9万3000人を16か国で追った研究があります(Mak et al., 2023)。趣味がある人は、うつ症状が少なく、健康状態や幸福感、人生の満足度の自己評価が高い傾向がありました。対象が高齢者で、観察研究なので、趣味がこれらを高めたという因果までは言えません。

4つの分野は、HARMの法則を参考に僕が選んだものです。ヘルス、アンビション、リレーションシップ、マネーの頭文字を取っています。4つ目のマネーは、動画の後半で何かを生み出す趣味として言い直しています。

スマホは、こうした分野で偽物の報酬をくれます。たとえば、上達していないのに、動画を見て学んだ気になる。人と会っていないのに、SNSで繋がった気になる。何かを生み出すのではなく、消費するだけで満足してしまう。だから現実世界のほうで、この4つの報酬源を作ってあげることが大事です。

「偽物の報酬」と「現実世界」の2列に、学んだ気になる・繋がった気になる・消費するだけの体験と、上達・人との交流・創作を3行で対比した図
分野動画で挙げた趣味の例動画で話した僕の体験
心と体が整う筋トレ、ランニング、散歩、サウナ、スポーツ、登山、キャンプ、ヨガ、瞑想、料理や自炊、朝活ランニングと筋トレ。5月の頭に友人と1泊2日でキャンプ
上達を感じるスポーツ、語学や資格の勉強、楽器、格闘技、ボードゲーム、写真、動画撮影、スピーチ、マラソン高校3年生で初めて行ったゴルフの打ちっぱなし
人と繋がる友達やコミュニティの仲間と運動する、誰かと映画を見る、誰かと旅行に行くサウナやキャンプは、誰かと予定を入れて行く
何かを生み出す発信、noteで記事を書く、絵を描く、音楽を作る、料理趣味で始めたInstagram

1つの趣味が複数の分野にまたがってもかまいません。たとえばスポーツは、体が整い、上達も感じやすく、人との交流の場にもなります。

1つ目は心と体が整う趣味。
4つの中で1番大事

4つのうち1番大事なのが、心と体が整う趣味です。当たり前に見えるので飛ばしたくなりますが、ここだけは飛ばさないでください。動画でも、ありきたりな話は後ろに回したほうが見てもらえると分かったうえで、1つ目に置きました。

筋トレ、ランニング、散歩、サウナ、スポーツ、登山、キャンプ、ヨガ、瞑想、健康的な自炊が並んだ動画の画面
図2. 1つ目の分野「体が整う趣味」として挙げた例(動画『スマホ対策は不要。勝手に"依存が治る"たった1つの方法』より)

運動したあとは、スマホをいじりたい気持ちが起こりにくくなると僕は考えています。どんな運動でもいいので、取り入れてみてください。僕はランニングや筋トレが好きですが、やっている間にマインドフルになれるのも大きいです。走っているときは、自分の足音や上がっていく心拍に意識を向けられます。スマホを触り続けているときは、その反対で心ここにあらずです。

僕のおすすめはスポーツです。クライアントさんにも、テニスや水泳、フットサルをしている方がいます。ランニングや筋トレがきつい人でも、スポーツなら楽しいので、気づいたら没頭している状態になりやすいです。もともとスポーツをしていた人は、それに関わる趣味でもいいです。何もしていなかった人も、初心者向けのコミュニティがオンラインにたくさんあります。

スポーツは上達を感じやすいのもいいところです。僕は高校3年生のとき、初めてゴルフの打ちっぱなしに行きました。野球をやっていたので、最初は打球が全部右に曲がるスライスでした。クラブを飛ばして、周りに迷惑をかけたこともあります。それでも1日そこで練習し、教えてもらいながら打つうちに、まっすぐ飛ぶようになりました。本当に深い喜びは、あとから遅れてやってきます。

王道のランニングや散歩もいいです。僕は朝散歩がおすすめです。朝起きてすぐ外に出て、日の光を浴びながら歩く習慣です。

キャンプも最高でした。僕は5月の頭に、友人と1泊2日で山梨県の道志村あたりへキャンプに行きました。仕事が忙しく、休みもなかなか取れない時期でしたが、仕事のストレスが一気に吹っ飛んだ感覚があります。本当にリセットされました。

キャンプは1人で行ってもいいのですが、ソウルメイトや仲のいい人と火を囲って語り合えるようなキャンプが、僕は1番の趣味だと思っています。もちろん料理や自炊のように、ほかの趣味でもかまいません。今週末から1つ試してみてください。

2つ目は上達を感じる趣味。
できたことを書き残す

2つ目は上達を感じる趣味です。前にできなかったことができるようになる手応えは、それ自体が遅れてやってくる報酬になります。先ほどのスポーツのほか、語学や資格の勉強も、もしかしたら趣味に入るかもしれません。楽器、格闘技、ボードゲーム、写真、動画撮影、スピーチ、マラソンなど、ほかにも無数にあります。

スポーツ、語学、資格学習、楽器、格闘技、ボードゲーム、写真、動画撮影、スピーチ、マラソンが並んだ動画の画面
図3. 2つ目の分野「上達を感じる趣味」として挙げた例(動画『スマホ対策は不要。勝手に"依存が治る"たった1つの方法』より)

スマホは、僕らを成長させた気にさせてくれます。勉強法の動画や、有益そうな自己啓発の動画を見る。成功者の話を聞く。それで学んだ気になっても、現実は何も変わっていません。もちろん、学ぶことやインプット自体が悪いわけではありません。ただ、行動しないと現実は変わらないので、消費者ではなく生産者側に回っていく必要があります。

おすすめは、週に1回、できれば毎日、できたことや成長したことをログに残しておくことです。成長日記のように書いておくと、自分は前に進んでいるという感覚が持てます。毎日の小さなできたこと、毎週の小さな成長を、スモールウィンと言ったりします。書く形は、習慣トラッカーの横に1行日記を足すやり方でもかまいません。

3つ目は人と繋がる趣味。
誰かと先に予定を入れる

3つ目は人と繋がる趣味です。運動するなら、友達やコミュニティの仲間と行く。誰かと一緒に映画を見る、旅行に行く。大事なのは友達の量ではなく質で、本音で話せるか、価値観を共有しているかです。さっき書いたソウルメイトのような仲間が、本当に1番大事です。僕はこれを身にしみて感じています。

スマホは、繋がった気にさせてくれます。いいねがもらえて、繋がった気になる。もちろん使い方によっては繋がりが強まる面もあると思うので、一概には言えません。それでも、スマホで繋がっているからいいや、ではなく、リアルで会う回数を増やしていくのがおすすめです。1人が好きな方は、無理をしなくてかまいません。

意外と大事なのが、趣味を続けるために人の力を借りることです。僕はサウナやキャンプが大好きですが、決して1人では行きません。誰かと予定を入れるから行く。1人だと、まあいいかと仕事をしてしまうからです。旅行も同じで、先に予定を入れて、趣味の時間を確保しています。

4つ目は何かを生み出す趣味。
消費者から生産者側に回る

4つ目は何かを生み出す趣味です。発信をする、noteで記事を書く、絵を描く、音楽を作る。こうしたクリエイティブなことがここに入ります。お金を生み出す必要は、厳密にはないと思っています。何かを創造し、生産する側に回ることがポイントです。

スマホを眺めている間、僕らは消費者です。コンテンツを消費するだけ、時間を消費するだけで、ずっと受け身です。受け身から能動的になりましょう。料理を作った、動画を1本作った、文章を書き切った、誰かの役に立つ投稿をした。こういう時間は、スマホを見て終わる時間と違って、現実世界に何かが残ります。

僕は個人的に発信がおすすめです。自分の価値観に近い人を集められますし、自分の経験や学んだことが誰かの役に立ちます。「やってみて良かったです」という前向きなコメントをもらうたびに、僕は心が満たされます。

作る側に回ると、見る目も変わります。YouTubeを作る側になると、この動画は再生回数を稼ぐためにこのサムネイルやタイトルにしているな、と見分けがつくようになります。僕が趣味でInstagramを始めたのは、動画を撮った時点で4年ほど前です。ただの大学生だった僕の視点は、そこで結構変わりました。

スマホ以外の趣味は、
週に1回30分から始める

スマホ以外の趣味は、週に1回30分からでいいので、何か1つ取り入れてみてください。大事なのは、動画や記事を見て受け身で終わらせないことです。1つでいいからアクションに落とす。今週末から、なんなら今日からやってみる。それで現実世界が変わっていくと思っています。

週に1回30分から始める例として、今週末の散歩30分を紙の予定表に入れ、緑の中を歩く人を描いた図

スマホそのものにアプローチする対処法とセットで取り入れると、スマホの悪い影響だけを外しやすくなると思います。スマホを減らす手順は、スマホから離れる4ステップのドーパミンデトックスの記事にまとめました。

本当の本当は、趣味のように仕事をすることが1番だと僕は思っています。ライフワークと言ったりしますが、お金を稼ぐためではなく、生きがいとして仕事ができている状態です。僕はそれを見つけてから、気づいたらスマホをいじっていない状態に変わりました。何に熱中したいかを見直すなら、月2時間で人生を棚卸しするThink Dayが使えます。

よくある質問

仕事や勉強が忙しくて、趣味どころではありません

余裕がないとき、忙しいときこそ趣味を入れてみてください。そのほうが仕事や勉強がうまくいく、というのが僕の実感です。動画でも、趣味をやるくらいなら勉強と仕事をしたいという方にこそ見てほしい、と話しました。

やりたい趣味が1つも思いつきません

今の時点で、スマホ以上に面白いものはないと感じていても大丈夫です。最初から好きなものを決めなくてかまいません。表の例から気になるものを1つ試してみてください。それでも浮かばないときは、ドーパミンデトックスの記事の後半にある、没頭できるものを見つける2つの問いに答えてみてください。

写真や発信のように、スマホを使う趣味でもかまいませんか

動画では、写真や動画撮影も、上達を感じる趣味として挙げています。線を引くなら、見て楽しむだけか、自分の手で何かを作っているかです。撮る、編集する、書いて投稿する時間は、眺めているだけの時間とは分けて考えてください。

読書は、スマホ以外の趣味に入りますか

本を読むのは、上達を感じる趣味の候補になると思います。ただ、読んで学んだ気になるだけで終わると、動画を眺めるのと同じです。読んだことを1つ試す、感想を書いて残す。そこまでやるのがおすすめです。

お金をかけずに始められる趣味はありますか

散歩やランニング、自重の筋トレ、瞑想のように、道具がほとんど要らないものから始めるのがおすすめです。近所の公園へ出かけるのも、1つに数えていいと思います。料理なら、普段の食事を兼ねられます。

まとめ

  • スマホから抜け出せた人ほど、スマホをやめようとしていない。制限のテクニックは取り入れたほうがいいが、それだけでは元の生活に戻りやすい
  • スマホ以外の趣味は、心と体が整う・上達を感じる・人と繋がる・何かを生み出す、の4つの分野から選ぶ
  • 1番大事なのは、心と体が整う趣味
  • 始めるのは、週に1回30分から何か1つでいい

やることは1つだけです。今週末の予定に、スマホ以外の趣味を30分入れてください。4つの分野の話は、公園で撮った動画で全編を見られます。

出典

  1. Wegner, D. M., Schneider, D. J., Carter, S. R., & White, T. L. (1987). Paradoxical effects of thought suppression. Journal of Personality and Social Psychology, 53(1), 5–13.(白くまを考えないようにした人のはね返りと、別に考えることを渡した場合)
  2. Mak, H. W., Noguchi, T., Bone, J. K., Wels, J., Gao, Q., Kondo, K., Saito, T., & Fancourt, D. (2023). Hobby engagement and mental wellbeing among people aged 65 years and older in 16 countries. Nature Medicine, 29, 2233–2240.(65歳以上・16か国・93,263人の観察研究。因果は言えないと著者が明記)

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スマホ対策は不要。勝手に"依存が治る"たった1つの方法

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